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剃刀  作者: パラ
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第一話

もともと短編だったのですが、連載してみることにしました。読んでくれると嬉しいです。

 「私と死んで?」

 彼女はいきなりそんなことを言ってきた。

現在の状況、放課後の屋上、俺と彼女二人きり、彼女に押し倒されている、俺の首筋に剃刀、押し当てているのはもちろん彼女。

 

 結論、俺大ピンチ。


 まあまあ落ち着けどうしてこうなった?何か理由があるはずだ。考えるんだ俺!!力の限り!!!

 

……やばい、わからない……こうなったら、理由を彼女に聞くしかない!!なんか聞いたら後に引けなくなりそうな気がするけども…それでも!彼女なら答えてくれるはずだ!


「あの~暦さん?なんでこうなったのかできれば知りたいな~なんて…」

「凛くんがいけないの、あんな女たちとばっかり仲良くして…私のことは、ほったらかし……だから私だけを見てもらうために、一緒に死ぬの」

……えと、よくわからん。とりあえず、あんな女たちってどんな女たちだ…?心当たりがまったく無い…

 とりあえず現実逃避に自己紹介でもしよう。俺の名前は大山おおやま 凛太郎りんたろう。高校二年生だ。彼女の名前はひいらぎ こよみ同じく高校二年生。彼女と知り合ったのは高校一年のときにクラスが一緒になったからなのだが…殺されかけるほど親密だったか……?いや、俺の記憶上そんなことはなかったはずなのだが…せいぜい世間話をする程度の仲だったはず…死亡フラグな気もするが…聞いてみよう。

 「あのですね暦さん…俺たちって剃刀を首に押し付けられるほど仲良かったっけ…?」

 「……!ひどい凛くん!!私が凛くんのことを好きだって知っててそんなことを言うの!?……もういい……今から、私と凛くんは一つになるの……だから死んで」

 そう言いながら彼女は剃刀を振り上げる。って!!ちょっとまった!!!

 「わー!!ストップストップ!!!まって殺さないで、話せばわかる!!!」

 「大丈夫……痛いのはちょっとだけだから……すぐに楽になれるから……」

 「死にたくないんだって!!ちょっと落ち着いて!!!」

 そう言って俺は彼女の手を押さえる。女の子なのにかなり力が強い。まじでどうなってんのこの子…?

 「邪魔しないで凛くん…」

 「自分が死ぬとわかってて邪魔しないやつがあるかぁぁぁぁ!!!!」

 「私もすぐに死ぬから…寂しくないよ…?」

 「寂しいとかそういう問題じゃないって!!!暦さんも死ぬならなおさら死ねないっての!!!」

 ギリギリのところで彼女から剃刀を取り上げ押しのける。ようやく押し倒されている状況から脱した…まじで危なかった…とりあえずこれで逃げるという選択肢もとれるようになった。まあ逃げる気は無いんだけど。とりあえず話を最後まで聞いてからどうするか決めよう。そうしないとまたいつ殺しにくるかわからんし…

 「ふう…それで暦さん?君が俺のこと好きだっていうのはわかったけど…なんで殺そうとするわけよ?」

 「うぅ…失敗した…ヒョロヒョロしてるくせに意外と力がある…」

 「話を聞けぇぇ!!!そしてさらっと傷つくようなこと言うなや!!!」

 「……私のものにしないと彼女たちに取られてしまうと思ったから…だから殺そうとした……」

 「私のものにする=殺すは置いておくとして…さっきから言ってる彼女たちって誰よ?心当たりが無いんだけど?」

 「生徒会長さんとか先生とか幼馴染の子とか他にもいっぱい…凛くんモテるから…」

 なんかとても勘違いをしているようなんだが…言っておくが俺はモテたことはない。生涯一度も告白などされたことないし、彼女ができたこともない。さっき暦さんに好きだと言われたのが生涯初の告白になるのか…?剃刀で殺されかけるオプションつきだが……とりあえず彼女の間違いを正しておこう。

 「なんか勘違いしてるみたいだけど、俺は全くモテないから。」

 「それは凛くんが鈍いだけで…」

 「そんなことはない!告白されたのだって今さっきの暦さんが始めてだ!」

 これは俺の記憶上確かなことだから断言できる!神に誓ってもいい!!

 「凛くんが気づいてないだけでみんな結構告白とかしてるんだけど…」

 「ん?ごめん聞こえなかった。なんていったの?」

 「……なんでもないよ」

 なんかやたら落ち込んでしまったが…なんだったのだろう?まあいいや、無理やり聞くことも無いだろう。それよりも聞かなきゃいけないことがある。

 「暦さんは俺のことが好きなんだよね?」

 「うん、大好き」

 真正面から言われるとものすごく恥ずかしいんだが…まあいいとしよう

 「んで、暦さんはどうしたいわけよ?」

 「一緒に死んでほしい」

 「その心中前提の考え方をまずやめろ!普通は付き合うとかだろ!!」

 まったく、どういう思考回路してんだか…

 「付き合うとか…そういうのは、どうしたらいいかわかんないし…恥ずかしい…///」

 「そこで何故はずかしがる!?」

 はあ、このままじゃ埒があかないな…暦さんは可愛いし、モテる人なんだけど、ちょっと電波さんみたいだ…剃刀出されたあたりから気づいてたが…あー、なんかほっとけないよなーこのままだといつか回りに被害が出そうだし…俺が何とかするしかないのか…

 「あーとりあえず、俺は死にたくないし、かといっていきなり暦さんと付き合えるわけでもないから…友達以上恋人未満な関係で手打ちといきませんか?」

 「それは私のことを見てくれるってこと…?」

 「まあ、他の人よりは気にするようになるだろうね」

 危なっかしいし…

 「ならそれでいい。殺すのはまた今度にする」

 「もう殺すって考えをやめてください!」

 なんだかよくわからないことになってしまったが、これから先考えていけばいいだろう。なんか退屈しなさそうだし、まあいっか。



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