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楽器のために!

続編です。2話目に突入です。飽きてしまったらブラウザを閉じちゃってください。

「さて、これからどうすっか」

「高校決め…でしょ?」

 軽音部を作るにはこれから高校を決めなきゃいけない。

「そうだな。しかしあや…」

「ん?なに?」

「あやは実力テスト何点くらいだ…?」

「………150点くらいよ」

 は、恥ずかしい。点数聞かれたうえにこんな低い点数。

「そ、奏太は何点ぐらいなのよ」

「俺は…350点ぐらいかな」

 自分が恥ずかしすぎる。嫌になってきた…。

 しかも200点差もあるよ。

「ってことはあやとは200点差だな」

 うわしかも思ってたこと言われた。

 しかも笑顔…。もう嫌…。

「ってことはやっぱり私が足ひっぱってる…よね、ごめん」

「気にすんな。もともと高校はあやに任せるつもりだから」

「奏太はそれでいいの?」

「別に全然構わん」

 即答。罪悪感が…。

「なら、私は高校選ばせてもらうね」

 と言ったものの全く決まってない。  

「もうあてはあるのか?」

 図星。早速聞かれるなんて…。

「まだ決めてない」

「そうか…」

 うっこの空気耐えられないよ…。なにか言葉探さないと。

「そ、そういえばここの近くに楽器屋があるんだけどさ。行ってみない?」

 なんとか話をそらすことができた。ふぅ…。

「楽器屋か。それはどこにあるんだ?」

「ちょうどこの曲がり角を道なりに行けばつくわ」

 道案内をし、楽器屋に早速入る。

 中に入ると昨日はいったときと同じような雰囲気があり、また大きな音が聞こえてきた。

 あはは、奏太もさすがにびっくりしてる。

「…っ。耳痛いなここ」

 耳まで抑えちゃってる。

「そう?昨日もきたから慣れちゃった」

 それよりもギター見ない?と言葉を紡ぐ。

 奏太はうなずいた。

 ギター売り場に足を運ぶとそこにはたくさんのギターが。

「うわぁ、いろんな形があるねー」

 ギターって最初はアコースティックみたいなのしかイメージなかったけどこういうのもあるんだね。

 知らなかったな。

「あ!この形かっこいーっ」

「それなんてギターだ?」

「さぁ…店員さんに聞いてみる?」

 店員さんに聞くとこれはストラトという形みたい。

「このギターはいくらぐらいするんですか?」

「このストラトですか?これでしたら5万円ですね」

「5、5万円…」

 今の私のお小遣いでも後4万円は足りない…。

 親に相談してみなくちゃ。

「お、俺はこれがいいかも」

「店員さん、この形は?」

「これはレスポールですね」

 へぇ、これはレスポールっていうんだ。

 ってこれすごく重い。ストラトが軽いだけなのかな…?

「これはいくらぐらいするんですか?」

 奏太が聞いてみる。

 また店員さんは5万円。と答えた。

 くすっ。奏太も、うっ…高い…って顏してる。

「うっ…高い…」

 ほら言った。

「あなたがたはギターは初めてみたいですね。ではピックはご存知ですか?」

「「ピック?」」

 あ、はもった。

「ピックはギターを弾くときに使うものですよ」

 ピックでしたら100円で買えますよ、と。

「奏太、ピック。買ってみる?」

「ああ。今はとてもじゃないがギターなんて買えないしな」

 私は大きめのピックを、奏太は小さめのピックを買った。

「とりあえず…。親に相談してみるしかないわね」

「そうだな、じゃあまた明日な」

「ええ。また明日」

 楽器屋で分かれてそれぞれ家に向かう。

「ただいまー」

「彩音、おかえり」

 よし。お父さんはいるみたい。交渉してみよう。

「それで相談があるんだけどさ…」

「なんだ?」

「私、ギター弾きたいって言ったじゃん。それでギターが欲しいんだけど…5万円もするんだよね」

「5万円か。彩音、今いくらある?」

「い、1万円ぐらい」

 友達と遊んだりして使っちゃったお金がすごく惜しくなってきちゃった。

 なんかくだらないことに使ってた気がするなぁ…。

「そうか。ギターは…そうだな。次の実力テストで250点を越えたらいいだろう」

 え。250点…。今の私の100点上。しかも次の実力テストってもう2週間後じゃん。

「250点!?」

「そうだ。彩音のがんばり次第では買ってあげるよ」

 無理。不可能。非条理。不合理。絶望。ー私の知ってる言葉では表せない。

 とりあえず勉強するしかないか…。

 急いで2階に駆け上がっていき、抱えていた鞄から教科書、ノートを取り出す。

 私の苦手な文系の科目…国語、社会は捨てよう。うん。

 頭痛くなっちゃう…。

「とりあえず数学からやってみようかな…」

 教科書を開いて、ノートに数字や記号を写していき、問題を解く作業に移る。

「えっと…2xの二乗をして…」

 答えを出してみる。答えはx=√3になった。

 答えを見てみるとx=6。

「………はぁ」

 やっぱできっこないよ。

 明日奏太に勉強教えてもらえるように頼むしかないかな…。

 そのままやっぱり勉強などできずに寝てしまった。


 次の日。朝、偶然登校中に奏太と会った。

「おはよう、奏太」

「ん、おはよう、あや」

 朝、いつもと変わらない挨拶を交わす。

「奏太は楽器のこと…親に相談してみた?」

 おそるおそる聞いてみる。

「聞いたよ。別に買ってもいいって」

 むむ、なに。やっぱり成績が上位の方なのっていいなぁ。

「あやは?」

 ぎくっ。聞き返された。

「わ、私も頑張れば買えるかな」

 あー。見栄はっちゃった…。私のばか。

「そっか。じゃあギターの件に関しては大丈夫そうだな」

「そ、そうね」

 下手な相槌しか返せないよ。なにしてるんだろ…。

 会話を続けているうちにもう学校の敷地内に入っていて、教室の目の前まで歩いてきていた。

 中に入るといつもと変わらない、賑やかな教室。

 でもさっき正直に言っておけばよかった…。おかげで勉強教えてって言いにくくなっちゃった。

 そのまま今日もあっという間に放課後。帰りも奏太といっしょに帰り道を歩く。

「実は…昨日お父さんにさ。実力テストでいい点とらなきゃギターだめって言われちゃってさ」

「いい点って何点くらいだ?」

 …250点。ぼそっと言う。いい点なのに奏太からすれば100点も下の点数。

 恥ずかしくて普段の大きさで言葉に出すことができない。

「250点か」

 あー、聞こえちゃってた。

「それで勉強を教えてほしいんだ」

 赤くなった顏を隠すようにしてうつむいて言う。

 いいよ、と返事が返ってきた。

 これから私と奏太の勉強詰めの2週間が始まるんだな…。

 


なんか進展の少ない話になっちゃった気がするんですが、できれば続きも見守ってほしいです。

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