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ある薬師の一生  作者: 杉勝啓


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佐和山へー三成に会いに行こう

「助作、悪いがお前は完子を千吉の家まで送ってくれないか」

「それは構わないが」

「どうして、伯父上、私だっておじい様の孫よ。おじい様に恥じない生き方をしたいと思っているわ」

「だが、しかし、お前は幼い。それに女だ」

「女だって伯母上は立派にやってるわ。それに私は秀頼より年上よ」


「万福丸様…完子様も連れて行きましょう」

「わしもそれがいいと思う」

「徳川様…?」

「それにしても完子様は江殿にそっくりとなられましたなあ」

「徳川様…江は元気ですか?」

「ええ…秀忠はわしに似ず江殿一筋じゃ」

「母上は幸せに暮らしているのですね」

「完子様もお寂しいでしょうが、母上に会える日がきっと参ります」

「いえ、私は伯母上や太閤殿下に良くしていただいて暮らしてきましたわ。伯母上の目的は戦のない皆が笑って暮らせる世の中だと、ずっと聞かされてきました。三成はわかってくれますわ。あの優しい三成ですもの」


「そうだ。三成はきっとわかってくれる」


一行は佐和山に向かって歩き始めました。

「駕籠を、用意させましょうか?」

「そうだな。私や且元は慣れているが、秀頼や完子は…」

「伯父上…私は歩けます。完子ねえも」

「はい。私も歩いて行きます」

「そうか…なら、皆で歩いて行こう。でも疲れたら言うんだよ。私や助作がおぶってやるから」

且元も頷きました。


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