表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある薬師の一生  作者: 杉勝啓


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

69/82

姫リンゴ

「異母兄上、それは何?」

「江に完子か、これは姫リンゴだよ。茶々の悪阻がひどいようだから長浜から送ってもらったんだ」

「長浜からですか」

「義母上もお前たちがお腹にいたときはよく食べていたよ。江も食べるかい。完子には後ですり下ろしてやろう」


「茶々…食欲がなくても無理をしてでも食べなきゃいけないよ。姫リンゴを長浜から送ってもらった。酸っぱいから悪阻にもよいだろう」

「異母兄上…私…怖いの」

「まだ…そんなことを…お腹に赤ごがいるから神経が過敏になっているのも仕方ないけど」

「違うの。異母兄上…怖いのは太閤殿下なの。太閤殿下のこの子に対する執着は異常だわ」

「落ち着いて。茶々…父親が我が子に執着するのは普通のことだよ」

「違うの。確かに最初の子のときも、鶴松のときも喜んでくれたわ。でも、違うの。それに、近ごろの太閤殿下はおかしいの。この度の戦は秀次様や石田三成、小西行長が頑張って、和議に持ち込んでくれたのよ。我が国の武威を見せつけて、外国の脅威が無くなれば、後は内政に力をいれて、平和になるはずだったわ」

「どういうことだ?もう戦は無くなるのではなかったのでは」

「和議の条件が太閤殿下の思うものではなかったというの。太閤殿下はもう一度朝鮮に攻め込むつもりなの」

「なんだって!」

「ある程度、我が国の武威を見せつけて和議に持ち込むのは太閤殿下も承知していたはずなのよ。なのに明まで攻めるどころか世界を手に入れると言い出したのよ。この子の為に」


「考えすぎだよ。さあ…少しでも食べて。食べづらいならすり下ろしてこようか」

「………」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ