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ある薬師の一生  作者: 杉勝啓


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茶々の初恋

鶴松が亡くなってから、まだ悲しみが癒えませんでしたが、茶々は徐々に健康を取り戻してゆきました。


「そういえば、異母兄上、いつも私が辛いときに来てくださいますが、長浜の方は大丈夫なのですか」

「私が留守のときはいつも千吉に頼んでいるから大丈夫だ」

「千吉?」

「うん。茶々は覚えていないかな。小谷城が落ちる少し前、一緒に膳を囲んだことがある」

「異母兄上が城から出る少し前、私が小さい魚は骨が多いから嫌と言ったら、丁寧に骨を取り除いてくれた少年がいたわ」

「では、茶々様、私が小骨を取り除きましょう、そう言ってくれたのよ。私は我儘を言うなと叱られると思ったから…それを見て父上も母上も苦笑していたわ。思えば、それが私の初恋だったのだわ」

「はは…残念だったな。今、千吉には女房も子供もいて幸せに暮らしている」

「そう…本当に残念だわ。あれ?確か、名前は千丸だったと覚えているのだけど」

「私と千吉は、織田の目を逃れるため、万吉、千吉と名を変えていたんだ」

「私、異母兄上が小谷城を出てからどのように過ごしていたのか知らないわ」

「私は幸せだったよ。お師匠様と千吉がいてくれたから。織田の手を逃れ、木の皮や草を食べて、泥をすするような生活だったけど、お師匠様は私達二人を必死に育ててくれた」

「異母兄上も苦労したのですね。お師匠様って?」

「弥助と言って、父上に仕えていた薬師なんだ。何でも父上が初陣を飾られた野良田の戦いで巻き込まれて親を失ったそうだ。憐れに思われた父上が小谷城に連れ帰ったそうだ」


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