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ある薬師の一生  作者: 杉勝啓


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小田原へ

北政所からの手紙を読んでいた茶々ですが、浮かない顔になりました。

「その手紙にはなんと」

「私に殿下の慰撫をしに小田原まで行くようにとの殿下のご命令ですって」

「なんだと!あの男!」 

「まあ、殿下をあの男などと」  

「大蔵卿殿、使者はまだいるのだな」

「はい。駕籠を用意してきましたので、お出ましをお待ちいただいているのですが」

「その使者にこう伝えろ。わが子をら取り上げられて、乳を吸ってくれるわが子がないため、乳が張って熱が出ている。とても小田原までの旅はできぬと」

「お方様…」

「病の身で、とても旅はできぬと北政所様に伝えてくださるように使者様に申し上げてください」


「いや、私が小田原までいこう。あのサルに一言、言ってやる」

「サルなどと…」 

「サルならまだマシだ」


使者が待っている部屋まできた万吉は言いました。

「私は薬師です。とても茶々いや…淀のお方様は旅などできる身体ではありません。どなたががわがをとり上げられたおかげで」

「しかし…それでは私どもが、お役目を果たせません」

「なら、私を小田原まで連れていってください。それとも、使者は病の淀の方様を無理に連れ出して殺してしまうおつもりですか」

「そのようなことはけっして」

「私が関白殿下に話します」

「このまま、淀の方様の都合も考えずに、小田原まで連れて行くつもりでしたか」

「使者様のお役目が果たせないというのなら、北政所様には淀の方様は、無事、小田原に発ったと申し上げればよろしいでしょう」







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