表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある薬師の一生  作者: 杉勝啓


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/67

万福丸の幸せ

「片桐様、ありがとうございます。私が楼主と話をつけてやると言ったものの、やはり、不安だったのです」

「何、かまわんよ。片桐家の威光も秀吉様の名前もちらつかせたからな。動作もないことだ。遊女一人、自由な身にしてやることで万福丸様の気がすむならな」

「まったく、あいつは……片桐様に世話をかけて、それに、いまだに片桐様のことを助作なんて呼んで、まだ、片桐様を自分の家来かなんかだと思っているのか」

「はは…もう、私を助作と呼ぶのは万福丸様だけだ」

「えっと……なんかすみません」 

「それより、お前に会ったら礼を言おうと思っていたんだ」

「私にですか」

「万福丸様の身代わりになってくれようとしたらしいではないか」

「いえ……私は何も……あいつは莫迦だから、私を身代わりにして、自分は万福丸ではないと言い張ればいいものを、わざわざ信長に自分が万福丸だと名のるものだから」

「お館様が生前、手をうっていてくれなかったら、あいつ死んでいたっていうのに」 

「はは……さすがはお館様のお血筋だ」



「だが、万福丸様は感謝していたぞ。それにお前がいてくれたから幸せだったとも言っていた」

「あいつがそんなことを……まったく普段は生意気な口ばかりきいているくせに」

「照れてるんだろうな。わかってやれ。できれば、その役目、私がやりたかった」

「そういえば、片桐様はあいつの傅役でしたね」

「お館様が私を信頼して万福丸様の傅役につけてくれたのに、処刑されたときいて、なんで小谷城が落ちた時、万福丸様を連れて逃げなかったのか後悔しているいたんだ。でも…生きていてくれてよかった」


「あ…あの……片桐様…お願いです。あいつをこのままにしてやっておいてください。一介の薬師として幸せな一生を送らせてやりたいんです」 

「わかっている。私もそれが万福丸様の幸せだと思う」


「それにしても万福丸様はお小さい時から変わらぬな。素直で優しくて、なのに、時々、すごく頑固だ」

「まったくです」

「万福丸様の気性がねじまがらず、お小さい時のままなのは、きっと弥助殿やお前が大切に育ててくれたからだろうな」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ