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勇者と聖女①

「これで最後!!」

 樹木が生い茂った深い森の中で勇ましい掛け声と共にオークの肉厚な胸へと飛び込む勇者。真っ直ぐとその胸に剣を突き立てます。

「いやぁあああああああああっ!!!!」

 雄叫びを上げながら肉厚な胸に剣を押し進め貫けば、胸からは血が吹き出しました。最後の力を振り絞るようにして「ぐぉおおっ」と唸りを上げた後にどかっと音を立てて意識を失ったオークは地面に体を預けます。

「や、やったぁあああー!!」

 身体(からだ)中に傷を負いながらもやっとの思いで倒せたオークに勇者は頬を緩めオークの周りをくるくると周り手を上げて飛び跳ねて喜びました。

「これでCランクに昇格できる!!」

 むふーと満足気なドヤ顔を浮かべながらオークの胸に突き刺さる剣を抜き取りました。血を払うようにして軽く振れば「あれ?」と違和感を感じて首を傾げます。

「あ、また罅がっ……!」

 刀身に軽く触れながらじっと見つめれば刃が欠け、そこから僅かに亀裂が入っていることに気がつきました。鞘へと剣を戻しながら「出費が…」と嘆息しました

「というわけで手伝えないから!」

「一人でも平気ですっ!」

 勇者は少し距離があるところで同じくオークと対峙している人物に呼び掛けました。大ぶりの斧を振り回してちょうどオークの胴体を薙ぎ払っているところです。

「これでわたくしもCランクに昇格できますね」

 大ぶりの斧を地面に突き立て胴と脚がさよならしたオークを見下ろしながら聖女はニコリと笑みを浮かべて喜んでいました。

「さて、ギルマスに報告しに行こうか」

「そうですね」

 勇者が軽く身体(からだ)を伸ばしながら聖女の近くまで歩み寄れば、聖女は勇者の姿を全身くまなく見てせせら笑いました。

「でもその前にその汚れを落として傷の手当てをしませんと」

 身体(からだ)のどこを見ても怪我一つなく、血の一滴すらも付着していない聖女と違い、勇者は額から脚に至るまで傷が少なくない数つけられていました。返り血がほとんどではありそうですが、己の血で汚してしまった部分も少なからずあります。

「どっかの聖者様は治癒魔法使えないもんね」

 ポーションを取り出し飲み干すと勇者が嘲りながら言葉を返します。ポーションの効果で傷はみるみるうちに塞がり、垂れた血と返り血で服や肌が汚れるのみです。

「喧嘩なら買いますけど?」

 眉をぴくりと動かし苛立ちを感じるままにぶつける聖女。笑顔ですが恐怖しかありません。

「冗談、先に売ってきたのそっちでしょ?」

 額に青筋を浮かべますが苛立ちを隠すように鼻で笑う勇者。少しばかり瞳孔が開いています。

 2人の間にはばちばちと火花が散らされました。

 あれから二年、相変わらずの勇者と聖女は現在冒険者活動をしながら世界を旅していました。

 勇者は長かった紅薔薇(ローズレッド)の髪をバッサリ切りショートヘアに。前髪を少し編み込んで動きやすそうなミニ丈のラップレイヤースカートを履いてはいますが全体的にボーイッシュな装いで纏められています。

 聖女は長かった白色金ホワイトゴールドの髪をさらに伸ばし、ハーフツインにしています。儚げな美しさと絢爛を両立した聖女の魅力を引き上げる反物の生地を使った特注品である衣装で身を包んでいます。

「そもそも人が謹慎されてる中自分だけ準備万端で解けた瞬間連れ出してぇ?人の家から魔道具と一〇〇〇万拝借した似非聖女様に文句も何も言われたくないんだけどぉ?やってること窃盗だから」

「……っ!ぐうの音も出ない正論で丸め込もうとしないでくださいますか?あと、貴女が生傷絶えないほど弱いのと直ぐ剣をダメにする粗悪なところとこれとでは話が違います。……そ、それに、お金がたまったらちゃんと返しますよ」

最後の方はゴニョゴニョと声が小さくなってほとんど聞き取れはしません。しかしそれを耳聡くもしっかり拾い鼻で笑いながら勇者は返します。

「ちゃっかり悪口増やしてるなよ。返せるもんなら返してよちゃんと四〇〇〇万!!」

「ふ、吹っ掛けますね。ガメツイったらありません」

 呆れるようにふんっと鼻を鳴らしそっぽを向く聖女。

「借りてる一〇〇〇万」

勇者は指を小指を折り曲げました。

「魔道具貸出料」

次いで薬指と中指を折り曲げます。

「あとその衣装!!」

最後に親指を折り曲げました。

「プラス利子!!」

 何か反論をする前に残った人差し指を聖女に向けて声高らかに言い放ちます。

「利子でも吹っ掛けますか。そうですか」

「無断拝借してるくせに文句は言わせないからね。逆にこれ以上要求されてもおかしくはないから、そこは何とか庇うけども。窃盗罪と誘拐罪まで問われる可能性もでてくるけどそこを罰金だけでなんとか……」

 青筋浮かべる聖女に勝ち誇った顔で高説垂れますが、金額の多さと自分たちの現状にだんだんと勇者の顔は青ざめていきました。

「この話一旦止めませんか?急に頭が……」

 両手で膨れ上がる金額の多さを指折り数える聖女。

「魔王討伐を大義名分に無断で出てきたけど、今や無断外泊と家への借金で余計に帰れない」

 項垂れながら独り言ちる勇者。

 2人して終わったと絶望しています。

「と、とりあえず、回復職仲間にしたいよね!!」

 空元気で勇者は直近の方針を口にしました。

「そうですね。それと、高ランク冒険者はお抱えの

 鍛治師が持てるそうなので早々にBまでランクを上げたいものです。いつまでも勇者の称号持ちが使い捨てを使うわけには行きませんから」

 聖女も空元気で勇者の話に乗っかり、いつも通り皮肉も混ぜながら微笑みました。

「借金返してからじゃないと無理じゃない?」

「……こ、今後のいずれかの話です」

 勇者に冷ややかな目で返されて、言葉を詰まらせます。

「パーティ申請も早め早めがいいし、最強勇者パーティで申請しても?」

「御冗談をそこは聖女様親衛隊に致しましょう」

 勇者も聖女も気を取り直したかのように再び空元気で己を誇示するような自分で付けるにそこはかとなくダサいネーミングのパーティ名を提案し出しました。

 かれこれ2年もパーティ名を賭けて言い合いを続けています。

「貴女はもう少し自分のネーミングセンスの無さに目を向けたほうがいいと思いますよ」

「あんたにだけは言われたくないんだけど?」

 真顔で真剣に言い切る聖女に勇者はこっちの台詞と言わんばかりに言葉を返します。

「生傷絶えないよっわぁ〜い勇者の癖に『最強』なんて少々夢見がち、いえ、頭の中お花畑なんじゃないですか?まぁ?箱入りの?お姫様ですし?少しくらい現実が見えていなくとも仕方がないのかもしれませんね」

「世も末ですが……」とせせら笑う聖女に「いやいや」と勇者は首を振ります。

「世間知らずがどうで言ったらあんたには負ける。深窓聖者」

 勇者は一国のお姫様ではありますが割と行動力が高く突拍子のないことばかり行ってきました。

 城から抜け出し城下に遊びに行き奴隷売買にとっ捕まり護衛や侍女に迷惑をかけたり、城から抜け出し護衛も無しに聖女を救わんと隣国に密入国したり、城から抜け出し2年間もこうして旅に出てきていたりと、一国の姫がやる事とはかけ離れています。

 聖女の言う通りこんなのが姫では世も末ではありますが、箱入り娘ではありません。夢見がちではありそうですが。

「聖女様親衛隊ってそれ普通自分でつけないからね、普通。周りにチヤホヤされるタイプの聖女が自分の意思と関係なく勝手に周りにそう名乗られて当の本人は困ってるタイプのあれだから。人望がないと無理なやつ」

 勇者の言う通り聖女は世間知らずです。なに分、聖紋と呼ばれる聖者、聖女を示す紋様が刻まれたのが僅か齢3つの頃。それから約10年間ルイン王国にある神殿の最上階に軟禁されていました。最低限の知識と身を守る程度の護身術は身につけて居ましたが、外に出たことなど一度たりともありませんでした。

「わ、わたくしには人望がないと?」

「そう聞こえなかった?」

 カチンときた聖女は地面に突き立てた斧の柄を握り締めて聖力で斧の耐久度と鋭利さと重さを高めてから自身に身体(からだ)強化魔法を施しました。

 準備が終われば聖女の背よりも僅かに小さい大きな斧を振り被ります。

「人望あるもん!すごく人気の聖女様だったもん!!」

 子供染みたセリフを吐きながらムッと唇を尖らせて勇者めがけて斧を振り下ろします。

「ちょっ、タンマタンマ!!」

 勇者が咄嗟に後退すれば、先程まで勇者がいた地面には大きな亀裂ができ、勢いで周りの土が凹んでしまっています。

「……………………………………………こ、ここここっ」

 わなわなと身体(からだ)を震わせながらキッと聖者を睨みつけました。

「……っち」

「殺す気か!!」

 憤慨する勇者に斧が当たるどころか掠りもしなかった聖女は勇者から顔を背けながら舌打ちをこぼしました。

「まさか!まぁ、確かに少しばかり冗談が過ぎてしまいましたけれど、そのような意図などありはしません」

 そして、朗らかな微笑みを浮かべながら斧の柄から手を離します。

「舌打ち聞こえたんだけど!?」

「なんのことですか?聖女は舌打ちなんて下品なこと致しませんよ」

 森の中でギャーギャーワーワー騒ぐ2人の元にオークの血の匂いに釣れられて魔物が集まってきました。

 その魔物どもも2人に襲いかかる前にドシドシと地鳴りする足音を響かせながらのそのそと歩く大型の魔物がやってくると蜘蛛の子散らすように逃げていきます。

「……えっ!」

「……わっ!」

 魔狼牙族が勇者と聖女の周辺を駆けて通り過ぎれば、2人は目を丸くして驚き「何事?」と混乱し出しました。

 しかし、すぐに地鳴らすような足音が聞こえてくると音のした方に首をギギギっと油の刺さってない機械のように動かします。

 森の奥底からドシドシっと足音が徐々に徐々に近づいてきました。

 木々をへし曲げ倒しながら姿を現せば、

「ぐぅおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっ!!!!!!」

 耳が劈くほどの大きな大きな咆哮を上げます。

 さきほど、勇者と聖女の倒したオークよりも二回りほど大きな大きなオークを目の前に2人は顔を引き攣らせました。

「……………………………………………………………」

「……………………………………………………………」

 オークが木の幹を鷲掴み乱暴に引き抜きます。

 引き抜かれた太く大きい木をオークは勇者と聖女めがけて投げつけました。

 二人は同時に後退し背中に汗をダラダラと流しながら、オークを見つめます。

「逃げたい!!」

 率直な感想を声を大にして叫びます。

「こんなの街に降りてきたらただでは済みません!!」

 咎めるような視線を向ける聖女に勇者は帯刀している剣を鞘ごと投げつけました。

「わかってるよそんなの!!……取り敢えず付与頼んだっ」

 難なく片手で受け取れば、目を丸くさせながら抗議しました。

「はぁ!?ちょっと、丸腰で挑むほど柔な相手では……」

「わかってる!!」

 しかし、語調強めに一蹴され「もう!」と頬を膨らませながら聖力で武器を強化し始めました。

「わたしがやるのはあくまでも時間稼ぎまで!!早く使えるようにして、死ぬ前に!早く!!」

 勇者も身体(からだ)に魔力を込め始めます。紅薔薇(レッドローズ)色の魔力が靄となり身体(からだ)を包み込みました。

 筋肉増強と硬化の強化魔法を身体(からだ)全体に施し、オークの巨体に飛び込みます。

 腹に二発、脇腹に一発、殴打と蹴りを打ち込みます。しかし分厚い肉が反発するだけでオークにダメージが入った感触はありません。

「……っ、まじ……?」

 少しも痛がるそぶりを見せないオーク。少しこそばゆそうに身を僅かに捩らせる程度です。鬱陶しい小蝿を払うかのように落ちてくるオークの腕をギリギリで躱し、聖女の武器である斧を足蹴にオークの顔まで飛び上がります。二つある目のうちの左側に向かって力一杯殴りました。

「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっ!!!!」

「っし!!」

 攻撃が入ったことに小さくガッツポーズをして喜びますが、油断している間にオークの腕が飛んできました。勇者の脇腹を豪腕な腕で叩き落とします。

 地面に叩き落とされた勇者は「っか」と空気を肺から吐き出した後にひどく咳き込みました。

 頭を強く打ち付けたらしく血がポタポタと流れています。

 追撃が来る前に急いで立ち上がりその場から離れようとしますが、右脇腹から激痛が走りうまく動けません。

「……やっば!」

 身体(からだ)に鞭を打ち振り下ろされる豪腕から加速という敏捷強化の魔法を駆使して逃げきり、聖女の隣にまで後退しました。

 オークに居場所がバレないように豪腕の影に隠れた後見えないように木々に隠れながら向かっています。

 聖女はオークから少し離れた木陰で作業していました。

 剣に金色の魔力を纏わせています。

 魔力の靄が二重になって剣を包み、三重目の魔力はまだ安定せずにムラがありました。

 聖女は勇者が隣に来たことに全く気付かずにすごい集中力で剣を聖力で強化していました。

 勇者はオークを遠目から見つめながらポーションを一つ飲み干します。

 後頭部から流れる血は止まり、脇腹の痛みもわずかに落ち着きをみせました。しかし、内臓が傷ついているのか完全に痛みが消えることはありません。

「……中級、高いのに」

 ゴソゴソとポーチの中からコルクの色が少し濃いポーションを取り出しました。

 低級ポーションでは内臓の損傷まで治すことはできない為、泣く泣くコルクを取り口に含みました。

 いつもよりも時間をかけて味わうように飲み干します。

「………治癒師ほしい」

 飲み終わり空になった瓶を見つめながらボヤきます。

「よし!第二ラウンド!!」

 木の影から飛び出してオーク目掛けて走ります。

「武器は入り用ですかっ?」

 背後から聖女の声が聞こえてきた途端、刀身が鞘に収まった剣が飛んできました。

「……っ!………うわ、とと」

 自分よりも先に行く剣を追いかけて転びそうになりながらも両手で抱きしめるように掴み取りました。

「ありがとう!!」

 鞘を腰にぶら下げて、抜刀。金色の魔力を纏わせたことにより一時的に魔剣と近しい効果を得た擬似魔剣を握りしめてオークを背後から斬りかかります。

 足の腱を斬り裂けば片足つき「ぐおおっ」と短く唸ります。

 痛みに悶えて動けないうちに後ろから首に狙いを定めて跳びます。剣先がオークの首を僅かに掠めそうになったその時、命の危機を察知したオークは近くに落ちていた斧を掴み勇者に投げ飛ばしました。

「……っ」

 大ぶりの斧がクルクルと回転しながら速いスピードで勇者に迫り、勇者は目を見開きながら無事では済まないと覚悟しました。

「………無理だ」

 茫然としながらポツリと諦めに似た弱音を吐き出します。

「わざわざ届けてくださり感謝致します」

 斧が届く前に聖女は勇者の腕を引き斧の目の前へと躍り出ました。目尻で地面に背中から着地した無様な姿にクスリと微笑みを浮かべながらも大きな傷はなくポーションを飲み干す姿を見て安堵します。

 勢いよく迫る斧を横目にみながらもタイミングよく柄を掴み、華麗に地面へと着地しました。着地と同時にオークの元に飛び出すと斧を大きく振りかぶって勢いをつけてからオークの分厚い肉に刃を打ち付けました。

「せめて高く売り払って差し上げますね。さようなら」

 一度刃を抜いた後に『身体(からだ)強化』魔法を全身に包み込み「っふ!」と身体(からだ)全体を使って斧を同じ場所に打ち付ければ、背中がぱっくり割れて血が吹き出しました。

「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

 痛みに悶えるように拳を無差別に振り下ろし暴れ始めました。

 その振り下ろされた腕の上に勇者は飛び乗り時折バランスを崩しかけながらも駆けました。そして、首元までやってくると聖女により強化され擬似魔剣と化した剣で首筋に剣を突き立てます。

「ごめんね、ありがとう」

 剣をスライドさせて首筋を断ち切ればオークはピタリと静止しそのまま倒れ始めました。

 勇者はオークの肩から聖女の隣に飛び降ります。

 ドスンッ!と幾つかの木々を巻き込みながら大柄の絶命したオークは倒れ伏しました。

「………あっ」

 勇者の持つ擬似魔剣はポッキリと罅から折れてしまい、剣先はオークの首筋に刺さったままです。

「やっぱり壊れた」

 剣柄と僅かにしか残っていない剣を見つめながら独りごちります。

 聖女は斧に付着した血を清潔魔法で綺麗にした後に柄の部分を解体しながら頬を僅かに膨らませていました。

「留め刺したつもりだったのに、留め刺したつもりだったのに、留め刺したつもりだったのに、留め刺したつもりだったのに、留め刺したつもりだったのに、留め刺したつもりだったのに、留め刺したつもりだったのに、留め刺したつもりだったのに、留め刺したつもりだったのに、留め刺したつもりだったのに、留め刺したつもりだったのに、留め刺したつもりだったのに」

 とぶつぶつ同じ言葉を呟きながら悔しがっています。

「………はあぁぁぁぁっ」

 折れてしまった剣を鞘にしまった途端勇者はその場に蹲り大きく息を吐き出しました。肺の中の空気を押し出すように吐き出して肩を抱き締めます。

「勇者……!?」

 当然蹲り出した勇者に聖女は目をギョッとさせながら心配そうな顔をしました。

「死んだかと思った………」

 身体(からだ)の震えが止まらない中、か細く震えた声で「ありがとう聖者ぁ」と口にしました。

「…………」

 仲が悪く普段辛口ばかり叩き合う勇者に素直に感謝されて口を僅かに開けてぽかんとしながら絶句した後に、思わず頬をつねってしまっていました。当然、つねった頬は痛みを訴えます。

「…………ぶ、無事……ですよね?」

 現実だとわかっても信じられなさそうにしていました。

 頭を強く打ちつけすぎたのではないか、当たりどころが悪かったのではないか、と本気で心配しています。

「おかげさまで!!………ありがとうっ」

 普段素直に勇者から感謝されることのない聖女は少しばかり混乱しながらもどうにか「どういたしまして」と一言だけ紡ぐのです。

プロフィール

『勇者』

名前:アエリア・リュン・リストルテギア

性別:女の子

年齢:14歳

身長:160

体重:55

好きな食べ物:レーション

嫌いな食べ物:言いたくない

出身地:リストルテギア王国

髪型:ショートボブ 前髪を三つ編みに

髪色:ローズレッド

瞳の色:ピンク

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