序章
むかしむかし
白銀の美しい毛並みをした狼は村人を守る守り狼でした
森に囲まれた村で過ごす村人たちは狼に守られ、平和に過ごしていました
そんなある日、村の外から一人の人間がやってきました
その人間はとても弱っていて、フラフラと歩いていました
村の人たちは少年を保護し、元気になるまで村でお世話をしました
それが全ての始まりであることを村の人たちも狼も知らなかったのです
「俺は、この村の狼に襲われたんだ!この村の狼は他にも外から来たやつを襲っている!今すぐ村の狼を絶滅させるべきだ!」
なんと人間は、この村の守り神的な存在である狼を殺せというのです
ですが村人たちは怪しみます
本当に人間の言っていることは事実なのかと
今まで狼と共存してきた村人たちは狼がそんなにことをするはずがないと人間の言葉を信じませんでした
そう、事件が起きるまでは__
いつものように穏やかな日常をすごしていた時でした
穏やかだった狼は急に凶暴になってしまい、なんと村人を襲ってしまったのです
これにはむら人たちも驚き、そして嘆きました
「ああ、なぜあなたたちは我らを裏切ったのですか!」
村人たちは知りません
外から来た人間の策略だったことに
狼たちは知りません
この村に危害を加える人間を逃してしまったことに
村人たちも狼たちも知りません
この過ちが自分たちを滅ぼすことに
数年後、村は廃村になり白銀の狼たちを置いて村人たちは立ち去っていきました