第49話「三周目〜合流〜心乃香side」
(……ない)
私は居ても立っても居られなくなり、下校時そのまま、例の神社に向かった。
八神が死んだ時、八神が車に轢かれた場所のすぐ近くに、あの『鳥居に続く階段』が確かにあった筈なのに。
だが、何処を探し回っても見つからないのだ。
私はあの不思議な出来事が、夢だったのではと思い始め途方に暮れた。神社の本堂に戻り、もう一度始めから考え直そうとした。
その時――
「如月!」
背後から、聞き覚えのある声に呼びかけられた。
***
「何でお前がここに居るんだよ⁉︎」
いや、それはこっちの台詞だわ!
「話しかけないでって、言ったでしょ!」
「……うっ……告白のことは、本当にごめん……」
「だから、絶対許さないって言ったでしょ!」
話しかけるなと言っても、全く聞かないこの図々しさ、本当に腹が立つ。
「……分かってる。許されたいと思ってる訳じゃない。ただ、あの二人のことで何か知ってることがあるなら、教えて欲しいんだ」
「……あんた、私があの二人を消したと本気で思ってるの?」
「それは……そうじゃないと思いたい。でも、ここに居るってことは、何か知ってるんじゃないのか?」
私はうんざりした。八神に対してムキになって怒るのが、無駄なことのような気がしてきたのだ。
「あの二人が消えた理由は知らないわ。ただ……思い出したことがある。どうして今まで忘れていたのか分からないけど。五十嵐が消えたと分かった瞬間、思い出した」
「何を?」
「猫のことよ」
猫と聞いて、八神は驚いていた。やはり、この奇妙な現象があの、黒猫のせいだとアタリをつけていたようだ。
私が、あの鳥居に続く階段の場所のアタリを八神に話した途端、彼は走り出して行った。私も慌て彼を追いかけた。
つづく
三周目、七月十四日以降の、女主人公「如月心乃香」視点スタートです。
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