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【書籍化&コミカライズ化!】貴方に未練はありません! 〜浮気者の婚約者を捨てたら王子様の溺愛が待っていました〜  作者: 水垣するめ
二章

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54話

 部屋のなかはすごく大きな部屋、というわけではなく六人ほど部屋に入れば手狭になりそうな応接室だった。

 しかし見た目が質素だということはなく、上品な壺や絵画が飾られていた。


「国王様……」


 部屋のなかには国王がいた。

 ノクスと同じ黒い髪。そしてノクスの美貌をそのまま大人にしたような男性だった。


 そしてその男性の背後にはメガネを掛けた、比較的若い三十代前半くらいの男性が立っていた。

 この人は顔を見たことがある。この国の宰相を務めている人物だ。若くして国の政治を動かす立場に抜擢されただけあり、「数十年に一度の天才」と評されるほど優秀なのだそうだ。


 部屋のなかには少し張り詰めた雰囲気が漂っていた。

 私が少し足を止めると、国王はそれに気がついたのか朗らかな笑みを浮かべた。


「二人とも。こちらにかけてほしい」


 国王は真剣な表情で私とノクスへとそう促した。

 私はすぐに意図を察した。先ほどのミシェルの件についての話だろう。


 先ほどのミシェルが引き起こした騒ぎは、パーティーに参加している国王も知っているのだ。

 私とノクスがソファに座ると、おもむろに国王は話し始めた。


「さて、まずは確認させてほしいことがある。……二人とも、婚約を解消する意思はあるか?」

「なっ」

「そんな……」


 国王の問いかけに、私とノクスは同時に息を呑んだ。

 しかし私たちの勘違いを解くように国王は首を振る。


「聞くところによると、二人はここ最近、喧嘩が続いていたそうだな」

「それは……」

「そこへあの王子の求婚だ。親としても、国王としても確認せざるを得ない」

「俺は」


 隣に座っていたノクスが立ち上がった。


「セレナとの婚約を解消するつもりは毛頭ありません。セレナは俺にとって大切な婚約者ですから」


 ノクスは自分の胸に手を当てて、力強く国王に向かって、改めて婚約を解消するつもりがないことを宣言する。


「ノクス様……」

「そうか、セレナ嬢はどうだろうか?」


 国王はノクスの言葉に頷くと、今度は私に問いかけてきた。


「私も、ノクス様と婚約を解消するつもりはありません」


 私も国王へ向かってノクスに負けないくらい強く宣言した。


「ノクス様は私にとっていちばん大切な人です。そんな人との婚約を解消するなんて……考えられません!」

「そうか」


 国王は私の言葉にも同じように頷いて……そしてとんでもないことを言い出した。


「二人の意思はわかった。しかし、その上で覚悟しておいてほしい。場合によってはそれでも婚約を解消してもらうかもしれない、と」

「えっ」

「……」


 国王の言葉に困惑する私とは反対に、ノクスは口を閉ざしていた。


「そんな、どうしてですか! 私たちは婚約を解消するつもりなんて……」

「もちろんわかっている。しかし、この婚約を断れば最悪、ミシェル王子の国であるシルヴァンディア王国と戦争になるかもしれないのだ」

「せ、戦争……!?」

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 よし、ミシェルのをチョン切ろう(黒笑)
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