いきなりピンチ
はぁ……。
心の中でため息を吐く。
憧れの異世界は始まりから最悪だった。俺、こんなに運悪かったっけ?確か良い方だったはずなんだけどな……。
気を紛らわすために、スキルの効果を確認することにした。
凄そうなスキルもあったし、期待はできる…と思う。
いくぞ!《叡智》オープン!
◆◇◆◇◆
◀成長限界無効▶ 生き物に必ず存在する肉体、精神、魔力、気力の成長限界を無くし、無限に成長できるようになるスキル。
◀取得経験値増加LV10▶取得経験値が増えるスキル。LV10の場合5倍。
◀必要経験値減少LV10▶必要経験値が減るスキル。LV10の場合1/5。
◀魔力感知LV10▶範囲内の魔力が感知できるスキル。隠蔽されることもある。LV10の場合半径500mの魔力の動きが手にとるように分かり、高位の隠蔽でなければ見破ることができる。
◀気力感知LV10▶範囲内の気力を感知できるスキル。隠蔽されることもある。
LV10の場合半径500mの気力の動きが手にとるように分かり、高位の隠蔽でなければ見破ることができる。
◀直感LV10▶ 直感が鋭く当たりやすくなるスキル。LV10の場合80%当たる。
◀予測LV10▶未来の可能性を予測出来るスキル。LV10の場合80%当たる。
◀物理耐性LV1▶物理攻撃に強くなるスキル。LV10の場合ダメージ50%カット。《毒無効》 毒が効かなくなるスキル。
◀病気無効▶ 病気にならなくなるスキル。
◀疲労無効▶肉体的に疲労しなくなるスキル。
◀生命力自動回復LV1▶ 生命力を自動回復するスキル。LV10の場合1秒で50回復。
◀魔力自動回復LV1▶ 魔力を自動回復するスキル。LV10の場合1秒で50回復。
◀気力自動回復LV1▶気力を自動回復するスキル。LV10の場合1秒で50回復。
◀再生LV10▶体の損傷を再生するスキル。LV10の場合どんな傷でも、5分以内には再生できる。
◀不老▶ 寿命がなくなるスキル。全盛期まで成長すると、老化が止まる。
◀暴食▶ 体に触れているものを捕食するスキル。魔力や気力がないものは一瞬で捕食でき、それ以外は自分と捕食するものの魔力や気力の量の差によって捕食に必要な時間が変化する。ユニークスキルである。
◀吸収▶ 暴食で捕食したものの魔力や気力の10%またはユニークスキル以外のスキルのひとつを奪うことができたり、捕食したものに化けることができるようになったりするスキル。また、魔力や気力がないものを捕食した場合それをコピーして、量産することができる。ユニークスキルである。
◀体変化LV10▶体の体積は変えられないが、形や密度、大きさ、状態などを変えられるスキル。LV10の場合ほぼ変幻自在。ただし、色は変えられない。
◀能力向上LV1▶気力か魔力を消費し続けることで、身体能力を向上させるスキル。消費する魔力や気力の量によって効果が上昇する。LV10の場合かなり強くなる。
◀速さ向上LV1▶ 気力か魔力を消費し続けることで、自身の素早さを向上させるスキル。消費する魔力や気力の量によって効果が上昇する。LV10の場合2倍になる。
◀思考加速LV1▶気力か魔力を消費し続けることで、自分の体感時間を引き延ばすスキル。LV10の場合体感時間が1000倍になる。
◀叡智▶ 詳細不明。ユニークスキル。
◀鑑定(真)▶その名の通り鑑定するスキル。(真)の場合、相手に力量が圧倒的に負けているとき以外は隠蔽も偽造も効かないし、鑑定しても相手に気づかれない。
◀アイテムボックスLV10▶ アイテムを自身のみが使える亜空間に入れるスキル。生物は入れられない。アイテムボックス内の時間は自在に操れる。LV10の場合容量は無限。
◀魔王の卵▶魔王になれる可能性があるものが持つスキル。
◀神の加護▶ 神の加護が与えられるスキル。いろいろな恩恵がある。
◀転生者▶転生者に与えられるスキル。運気が上がる。
◀ユニークモンスター▶ 世界に一体しか存在しない種類のモンスターに与えられるスキル。
◀格上特攻▶ 自分よりも格上との戦闘の際、能力にプラス補正がはいるスキル。
◀ライバル特効▶ライバルだと自分が心から思った相手との戦闘の際、能力にプラス補正がはいるスキル。
◀戦闘の才能▶戦闘の天才に与えられるスキル。
◀魔法の才能▶魔法の天才に与えられるスキル。
◀武器の才能▶武器全般の天才に与えられるスキル。
◆◇◆◇◆
……俺、つえーじゃん。
強そうなスキルがめちゃくちゃあったしスキル含めたら俺かなり強いだろ。
よっしゃー!!やっぱり人生捨てたもんじゃねぇな!
そんなことを思っていると、
『調子に乗ってるとこ悪いんだけど、チョットいいかい?』
頭の中に声が響いた。
神さまじゃん。どうしたの?
『……なんか君のテンションって話しかける度に変わるよな。まぁいいけど。』
で?何か用?
『……。能力の確認終わったよね?』
まぁ、一通りは。
『じゃあ、君の周りにはったバリアを解除するから、ガンバ☆』
ん?
『これから先、そんな危険な場所で無防備晒してたら死ぬよ?幾ら中心から遠いとはいえ、そこは魔領域なんだから、サ☆』
そうして、通信は切れた。
つまり、今まで神様が抑えてたモンスターがこっちにくるってことか。
なら、常時発動型スキル全て起動!
えーっと、周りの魔力反応と気力反応は…………………………は?
95体?……………………詰んでるやん。どないすんねん。
いや、まだ気づかれてないようだ。大丈夫、大丈夫。少し変なテンションになったけど、落ち着け。
見た感じ、ゴブリンかな?1番手前のやつ鑑定してみるか。《鑑定》
◆◇◆◇◆
名前
種族 《ゴブリン》
職業 《ゴブリン》《職業ランクF》
《LV7》
強さランク《F》レアランク《F》
スキル
-常時発動型-
《団体行動LV4》
-発動型-
《殴打LV1》《仲間呼びLV3》
-称号型-
《外道LV1》《悪食LV4》
能力値
《生命力―42》
《防御力―69》
《力―78》
《素早さ―44》
《魔力―0》
《気力―41》
◆◇◆◇◆
やっぱりゴブリンか。能力値では若干負けてるけど、相手はスキル編成が貧相だ。一体なら失敗しなければ勝てる。多分、戦闘の才能の効果だろう。なんとなくわかる。
でも、95体いるんだよな。気づかれないように、離れよう。
「ポキッ」
あ……。
あ、あのーゴブリンさんたち?そんな見つめられると照れちゃうっていうか、ね?
一斉にゴブリン達が襲いかかってくる。
あーもう俺のバカ!!なんてベタな真似してんねん!!
だが、俺は地面をすごいスピードで跳ねて逃げる。
俺、そういえばスピード早かったな。このスピードなら、追いつかれないだろう。
幸い、逃げる方向に魔力、気力の反応はない。よかった。――と思ったら、
後ろから魔力反応がすごいスピードで向かってきた。
慌てて避ける。そのすぐ後に、火の玉が通り過ぎていった。
魔法が使えるやつがいんのか。このまま逃げても、当たって終わりだな。
逃げるのは危険。でもこんなたくさんのゴブリンに勝てそうもない。隠れる場所もない。
……なんで転生早々こんなピンチに?