第二十二章その2
<廃屋の街>はガラクタの山と表現するのがピッタリだ。
足の踏み場もないくらいに、残骸がそこら中に散らばっている。
ワイ達を案内している機械兵士は、その残骸を気にも止めずに踏み鳴らして先へ行く。
「踏んでいいのかな?」
ワイが他の人に問うと、兵士が答えた。
「ウゴカナクナッタナカマダ。キニスルコトハナイ。」
動かなくなった仲間だから気にするな。か…
仲間意識とかあんまりないのかな?
言われた通りワイ達は、残骸を踏みながら機械兵士の後に付いて行った。
「メイン。ダリアトナノルモノガヤッテキタゾ。」
巨大なパソコンのような画面に機械兵士が話しかける。
ピーガーと音がする。
「ワレラハ、ダリアトユウシャノナカマニナルコトニナッタ。ワタシハセイゾウバンゴウ20210902。」
話が早すぎてついていけないよ!
ダリアとワイに付いてくるってこと?
メインとか呼ばれてたあの画面がピーガー言って、ワイ達に協力しろって言ったのかな?
とゆーか名前覚えらんないんだけど?
「ユウシャハオンナノスガタガコノミカ?」
え?何?ワイは女の姿が好みって?
「そりゃー女ったらしだからね。喋り方も人間っぽいのが好みらしいよ。」
チラコンチネが勝手に言ってるし。
「…システムキドウ…」
キラキラ光って少女の姿に変身した。
かっこいいな!
変身できるのいいな。
「提案。勇者、私に名づけを頼む。」
名づけ?製造番号じゃなくて新しい名前を付けろって?
「んー。ナンバー1とかじゃだめ?」
「了解。私の名前はこれから1。よろしく。」
ちょっと機械みたいな話し方だけど、可愛い少女がペコリとお辞儀をしてきた。
こうしてまた、ワイらに新しい仲間が加わった。
「あ、そうだ。これ直せる?」
ワイはドワーフ族に作ってもらったロボットを1に渡してみた。
「簡単。すぐ直す。」
そう言ってワイからタロウサンを受け取って両手で包むと、眩い光がタロウサンを包み込んだ。
「直ったぞ。」
そう言ってワイにタロウサンを渡してきた。
「うぉぉー!直ったぁー!やったぁー!」
子供とか言わないで。本当に嬉しかったんだから。
「そこまで喜んで貰えたならこちらも直した甲斐があった。」
そう言ってワイの手を握って来る。
ドキッとしたのも一瞬。
ひんやりとした感覚がワイの手に残る。
やっぱり機械なんだな。
人の温もりとかそういうのを感じられない。
「そんなロボットのどこがいいのー?」
チラコンチネが相変わらず呆れた顔でワイに言う。
「男のロマンが分からないなんて、チラコンチネもまだまだ子供だな。」
ふっ。とドヤ顔してみた。
「なにおー!」
怒り出したけど、何故かダリアは得意気な顔をし出した。
「ダリアには分かるのだ!男のロマンなのだ。」
本当かよ!絶対分かってないだろ。
「男のロマン…理解不能。」
1にまで言われたけど、機械にはとうてい理解できまい。
女にも男のロマンは理解できんだろうよ。
でも、ダリアは嘘でも分かろうとしてくれたわけだ。
素直に感謝すべきだろうな。
「ありがとな。ダリア。」
「当然なのだ!」
にこりと微笑まれて、ワイの心臓が一瞬跳ねる。
やっぱりダリアは可愛い。
「不可解。勇者の動悸が激しくなった。」
「動悸?勇者様はどこか病気なんですか?」
1がどうやって分かったのか、ワイの鼓動が早くなったのを当ててきた。
それにしてもワチワヌイ。
ワイのどこを見たら病気に見えるんだ?
「解答。勇者は病気ではないと見られる。」
「んー?じゃあ何?緊張でもしてんの?」
チラコンチネがにやにやしながら言ってくる。
こいつ。分かっていやがるな?
「ま、まぁいいじゃん?とりあえずこれからの話をしようよ!」
慌ててワイが提案する。
ややブーイングがあったが無視することにした。
どっちにしろ、これからやるべきことの方が最優先なんだし。




