第二十二章その1
ダリアの機嫌は暫く直らなかった。
「全くタローは。なんどこうも女が同行者に増えるのだ?おかしいのだ。タローの悪いところなのだ。」
ぶつぶつ文句言ってるけど、聞こえてるからね?
「まぁでもそこが勇者のいいところじゃん?」
相変わらず頭の後ろに腕を組みながらチラコンチネがダリアに言う。
「女ったらしって言うかさ、変な魅力があるんだよ。」
「だから私たちも従ったわけです。力がないところもいいですよね?」
ワチワヌイもチラコンチネに同意した。
「それは認めるのだ。守りたくなるというかなんか不思議な気持ちにさせるのがタローなのだ。」
ダリアも頷いた。
「はぁティムよ。俺の味方はお前だけだ。男同士仲良くやろうな。」
ティムの背中に乗りながら呟くと、前を歩いて先行していたダリア・チラコンチネ・ワチワヌイの3人が立ち止まってこちらを振り向いた。
「何を言っているのだ?タローは。」
え?何が?
「勇者様。ティムは女の子ですよ?」
懐からタイニーが指摘する。
「え?そうなの?」
思わずティムに訊ねる。
ティムは、ぐるると鳴きながら頷いた。
男はワイ1人かよ!
「ほんっと勇者って女に好かれるよね。」
にひひと笑いながらチラコンチネがからかう。
「タローは本当にバカなのだ。」
ぷいっとダリアが前に向き直る。
まぁまぁとチラコンチネが慰めている。
そんなことをしている内に、目の前に機械の残骸が転がる世界が広がってきた。
ライフラインなんて何にもなさそうな、とても人が住めそうもない世界。
ここが――
「機械族の住む世界…<廃屋の街>よ…」
チラコンチネがワイに言う。
「気を付けてください。機械さんは他の種族に即攻撃を仕掛けてきます。」
タイニーが注意する。
「しかも話が通じないんですよ。」
ワチワヌイが機械族のテリトリーに入ろうとしたダリアを止めながら言う。
「関係ないのだ!攻撃を仕掛けてくるなら返り討ちにするだけなのだ。」
それができるのは、魔族の君だけだよ。
やれやれとワイはそっとため息をつく。
「あぁ!」
なるほどとチラコンチネが手を叩く。
あぁ!じゃないよ!
穏便にいこうよ。
「ナニモノダ。」
有刺鉄線で作られた門の前で、待ち構えていた機械の兵士が声を掛けてきた。
なんかSFの機械が反乱を起こす映画を彷彿とさせるな。
「ダリアなのだ!機械族に仲間になってもらいに来たのだ。」
ダメだこいつは!
「ダリアトイウナニキキオボエガアル。ツイテコイ。」
いいのかよ!
それにしても名前に聞き覚えがあるって、やっぱりダリアとブッドレア魔族は、人族以外から好かれていたんだな。




