第二十一章その5
おかしなことになった。
確かに戦いに勝利したら主として認めるとは言われた。
言われたけどこれはおかしいだろ!
わらわらと小山の穴から犬人族が出てきては、尻尾を振ってワイにすり寄って来る。
その数10や20なんてもんじゃない。
「さすがはイヌッコロだねー。数だけは立派だねー。」
感心したようにチラコンチネが言う。
「やっぱ種族ごとに違うものなの?」
「そりゃー全然違うよ。例えばアタイら猫人族は女が多いけど繁殖は人族と同じくらい。チビは男女比は半々くらいだけど、そこまで繁殖はしないから、数は増えないよね。イヌッコロはガンガン繁殖するから数が増えて大変っしょ。」
腕を頭の後ろで組みながらチラコンチネが軽く言う。
「我らは種族繁栄のために数を増やしているのです。」
猫人族も可愛いけど、犬人族も女の子は可愛い。
ワチワヌイと名乗った、女の子の犬人族もとっても可愛い。
犬耳に可愛い顔立ちは反則だろ!
ワイの個人的なイメージだけど、猫人族はアネキ肌で露出度が高くて、キレイ系が多い。
犬人族は、ちょっとM気質で可愛い系が多い。
「たーろー。」
背中がゾクゾクする。
ダリアが怒っている理由は、ワイがワチワヌイの頭を撫でているからだろう。
「ダリア以外の女の子に触れるとは何なのだ!ダリアは悲しいのだ!」
「ちょっと待て!別に女の子だからとかじゃなくて、犬とか猫とか可愛いじゃん?だから触れ合いたくなるだけ!」
「マジ?じゃあアタイのことも撫でてよ。」
チラコンチネが、猫っぽく甘えてきた。
かっ、可愛い!
撫でようとしたらダリアがキレた。
「タロー!チラコンチネ!いい加減にするのだ!ダリアは浮気は許さないのだ!」
浮気ってこれは浮気じゃないだろ。
「何言ってるのよ。アタイらの里には女が男をもてなす店だってあるのよ?ダリアあんたそれも浮気だって言うの?心が狭いわねー。」
「え?そんな店があるの?」
つい反応してしまった。
「お触り自由よ?来る?」
にやりとチラコンチネが笑う。
行く!と返事をしようとしてストップがかかる。
ダリアが鬼の形相をしていた。
「い、いや。俺にはダリアがいるから。」
とってつけたような理由を言うがダリアの機嫌は直らない。
「もう知らないのだ!」
ぷりぷりしながら宿に向かって行った。
まぁ暫くすれば機嫌は直るだろう。
それよりも…
「あのー。犬人族は俺達を手伝ってくれるということでいいのかな?」
ワチワヌイに訊いてみる。
「もちろんです!私達は勇者様を新しい主と認めました。ずっと付き従っていきます。あの笛を吹いていただければ、私達がすぐにでも参上します。もちろん見返りなんていりません。」
目を輝かせてワチワヌイが言う。
「勇者は女と一緒に旅することを求めてるよ?」
いらん情報をチラコンチネが言う。
「そうなのですか?では私がお供します!」
めっちゃ目を輝かせるじゃん!
この言葉をきっかけに、俺も私もとたくさんの犬人族が旅に付いてくると言い出した。
「勇者様。さすがにこんなに大所帯は…」
懐でタイニーが苦笑いしている。
「気持ちは嬉しいけど、ワチワヌイだけ付いてきて。他の人は俺が呼んだら助けに来て欲しいな。」
そう言うと全員仕方なしに諦めてくれた。
こうしてワイとダリアの旅に、人族のカルドン達が増えて、ドライブのティムが増え、小人族と猫人族と犬人族が増えた。
出会って別れてを繰り返してワイ達は進んでいく。
次は<廃屋の街>で機械族に会う。




