第二十一章その3
犬人族は、集団戦法が得意の種族だった。
5人できっちりと隊形を組んで攻めてくる。
対してこちらは個々人の能力が高かった。
小人族のタイニーはワイの懐にいるし、明らかに体格で劣る。
しかし猫人族の身体能力は高かった。
さすがは罠だらけの里に住んでいるだけはある。
ダリアもダリアで魔族だからなのか身体能力が高い。
連携もなにもなく個人で犬人族を討ちに出るが…
「バゥ!」
ダリアやチラコンチネが攻撃を仕掛ける真横から、別の犬人族が攻撃を仕掛ける戦術をさっきから受けている。
「くっそ!まどろっこしいのだ!」
「イヌッコロめ~。相変わらず1人じゃ何にも出来ないくせにー。」
ダリアとチラコンチネが悔しがるが、それこそ犬人族の思う壺な気がする。
「ダリア!チラコンチネ!ちょっと冷静になろう。相手は連携が上手すぎる。こちらは連携なんてできない急増のチームだ。1対1は無理だ。」
そう2人に言うが、戦い方が見出せない。
ティムも上空から攻撃を仕掛けるが、簡単にかわされては反撃を受けている。
このままではこちらが不利だ。
「勇者様。」
胸元からタイニーが呼びかける。
「あの2人にはあのまま戦っていて貰いましょう。私共で敵の意表をつきましょう。」
ダリアとチラコンチネに囮になって貰うというわけか!
戦い方も派手だし目立つし丁度いいかもしれん。
「ダリア!チラコンチネ!」
声をかけて作戦会議をする。
ティムがワイらの周りを旋回して、犬人族を近づけないようにしてくれている。
「私共3人で敵5人を仕留めます。お2人には陽動になって貰います。」
「囮になれってこと?」
チラコンチネが怒るがワイが制した。
「囮とは言い方次第だと思う。勝利に貢献するんだし、1対1で倒せるなら出来れば倒して欲しいのが本音。それでも向こうの方が上手だから、向こうの集団戦法を俺達が邪魔して、ダリアとチラコンチネの1対1を引き立たせる感じ。」
「ダリアはよく分からないけど、タローが言うならそうするのだ。」
たたっ。と走って1人の犬人族に向かって行ってしまった。
「あ!もう。勇者のせいだからね!」
何故かチラコンチネが怒ってからダリアの後を追った。
まぁ言い方はアレだけど、結局は囮だもんな。騙したと思われても仕方ない。
「勝てば大丈夫ですよ。」
ワイの罪悪感を察してくれたタイニーが言う。
「さぁはじめましょ。」
タイニーの言葉に合わせてワイはティムを呼んだ。




