第二十章その3
一方のオネェ受付は、<神の使者>と名乗る者と会っていた。
その内容は、神殺しについての詳細。
勇者を手懐けて、<神の村>へ誘導し、最高神ゼウスを殺してもらう。
<神殺し>の汚名や何等かの被害や呪いなどは全て勇者に被って貰う手筈になっていた。
「勇者は今、みかん町にいると情報があったわ。」
「順調に<神の村>へ向かっているようだな。確か<神の村>へ勇者自ら向かうんだったな?」
使者が訊いてオネェ受付が頷く。
「ただ1点注意して欲しいの。今どういうわけか<神の軍勢>がこの街にやって来たの。私たちの企みがバレたとは考えにくいけど、バレているんだとしたらまずいわ。」
「何?…神殺しがバレたとするとまずいんじゃないのか?」
そんなことを話していると、ギルド長が部屋に入ってきた。
「その通りだ。」
スクリュードライバーとの会話をギルド長は2人に聞かせた。
「呪い…私たち人族を飼い殺しにするつもりなのね。」
オネェ受付が悔しがる。
「だが1ついいことが分かった。」
ギルド長が2人に言う。
「幸か不幸か、今君たち2人は神殺しについての詳細を話していた。それなのに呪いが発動していないということは、まだ呪いは完成していないか、呪い自体が嘘だということだ。」
「もしくは呪いがまだ小さいか。」
と使者がもう1つの可能性をつけ足した。
更に使者が続ける。
「まず、嘘ということはないだろう。わざわざ忠告をしてくるのに、バレる嘘をつく必要がない。呪いは本当にあるがまだ発動していないと取るのが妥当だな。」
「となると我らがやることは1つだな。」
ギルド長がテーブルを軽く叩きながら立ち上がる。
使者がそれに続いて立ち上がり、あぁ。と頷いた。
「呪いが発動するよりも前に神殺しをしてもらうのね?」
オネェ受付も立ち上がった。
3人は黙って頷いてその場を離れた。
急いで勇者に神殺しをしてもらうこと、神殺しを知っている者に時間の猶予がなくなったことを伝えるために、迅速に行動を開始した。
全てがゼウスの手のひらの上で転がされていることに気が付く者は、誰1人としていなかった。




