第二十章その1
魔王城で大きな衝撃があった。
「いきなりとはご挨拶だね。」
カリモーチョが背中に羽を生やして空を飛びながら言う。
「それがお主の力か。<変身>だな?」
大斧を掲げながらブッドレアが睨む。
さらにブッドレアが続ける。
「<土砂>か…<災害>チームの生き残りが。残りの命を大切にしておればいいものを。」
大斧を振り下ろす。
その衝撃だけで地面がぱっくりと割れそうだった。
「確かにボクは<災害>チームの生き残りだし、戦闘向きの力じゃない。というか戦闘向きの力はほとんどあんた達との戦争で殺されたけどね。」
カリモーチョが腕を針に変身させてブッドレアに突き刺そうと素早く動く。
「でもね。ボクの力を見くびらないで欲しいな。」
いつものひょうひょうとしたトーンから真面目な声色に変わって、渾身の力でブッドレアを突き刺す。
――ガキンッ!
「!?」
カリモーチョの針が折れた。
「確かに使い方によっては、戦いに使える力なのかもしれん。だがワシにはほとんどの物理攻撃が効かぬ。ほとんどの魔法も効かぬ。残念だったの。災害チームの中では最強と言われた<隕石>との戦いがワシは楽しかったがのぅ。」
大斧でカリモーチョを一刀した。
人間からしたら圧倒的な力を誇る<神の軍勢>だが、魔族の王の前では無力に等しかった。




