第十八章その4
――神界。
神が住む世界。
何人も立ち入ることができない領域。
最高神ゼウスは1人、ほくそ笑む。
自分の計画が順調に進んでいることが分かっているからだ。
「モスコミュール。あなたの力で人族を全員呪いなさい。ジンバックの力を使うといいでしょう。」
<怨恨>のモスコミュールは、ゼウスに言われて<食欲>のジンバックの元へ向かった。
「いよいよ僕たち<本能>チームが動き出す時が来たってわけだ。」
ニコニコしながらジンバックがモスコミュールに言う。
「念のために、ソルティドッグの儀式をしてから力を使おうと思う。」
そう、モスコミュールが言い、<雌伏>のソルティドッグの元へ向かう。
「なるほどね。いいわよ。同じ<本能>チームとして、アタシ達が他のチームよりも上であることを分からせましょ。」
話を聞いてソルティドッグも了承した。
「まずは、ソルティドッグの儀式の力で呪いのかかりやすさを上昇させる。僕の効果範囲を広める力で呪いを人族全域にする。そして、モスコミュール、君の呪いの力で人族を呪う。これでいいんだね?」
ジンバックが両手を頭の後ろで組みながらモスコミュールを見る。
モスコミュールは頷いて集中し始めた。
<呪い>の力を使う準備をしている。
「どんな呪いを使うつもりなのかしら?」
ソルティドッグが儀式の準備をしながらジンバックに質問したが、その内容はジンバックも知らされていない。
肩をすくめて返事をした。
「神殺しの呪いをかけろとゼウス様より言われた。少しでも逆らう意思を見せたら、全人族を殺す呪いをかけよと。」
集中しながらもモスコミュールが言う。
「それを聞いたらアタシもしっかりと儀式を行わないとね。」
ソルティドッグが言い、ジンバックも僕も。とウキウキ張り切り始めた。
人族を呪う呪いが発動するまで、時間がなかった。
背筋がゾクゾクするような不気味な風が、色んな町に吹いた。




