第十七章その3
<神の村>――
ダリアが覚醒してからというもの、この村では頻繁に<生贄の儀式>が行なわれていた。
村一番の美人を供物として神に捧げていた。
元々神を信仰していたこの村は、周囲をぐるりと畏敬山に囲まれた隔絶された地域だった。
神の信仰が先なのか、隔絶された地域だから神の信仰が始まったのかは不明だが、この村では確かに神の存在を認めていた。
そして生贄に捧げられた女性は実際に翌日には生贄の祭壇から居なくなっていた。
このことから、この村では実際に神を見たことがなくても、神はいるものとして信じられてきた。
そして村の一部の者達は、実際に神の存在を知っていた。
<神の軍勢>たちだ。
軍勢の一部と村の上層部は定期的に秘密裏に会合をしていた。
軍勢から要求されることを呑まなければ、<神の怒り>に触れることとなる。
過去に数度あった、火山の噴火や大地震などが<神の怒り>だった。
だから、今回のダリアの覚醒も怒りに触れたのだと思った。
何もしていないのに?
いや、村人たちはしていた。
神に逆らっていた。
偶然にも、ダリアの覚醒があった数日後に、上層部の1人が寿命でこの世を去った。
村の上層部は、怒りに触れたと思った。
そして村人の1人を上層部に選別した。
「今日お主を呼んだのは他でもない。この村の秘密、いやこの世界の秘密を教えるためじゃ。」
年老いた女性が、新たに上層部へと選別された中年男性へと語りかける。
「儂ら村人は、神を崇拝しておる。しかし誰も神を見たものはおらぬ。なのになぜ崇拝するのか?しきたりだから?伝統だから?違う。本当に神はおるのじゃ。」
そう前置きをして、老婆は神の存在について語った。




