第十四章その4
チーゼルは今までで一番頭を使っていた。
一人でぶつぶつと独り言を話していた。
「すると神の一族が魔族を滅ぼしたいがために私達をけしかけたってこと?何のために?自分達では魔族は滅ぼせないのかしら?それに太郎の言う通りスカーレットを殺したり街を破壊する意味もわからないわ」
はっ!とチーゼルは真相に気が付いてしまった。
周りも気にせず考え込んでしまっていた。背後に人が立っていることに気がつかなかった。
「気がついてしまったか…」
感情のこもっていない声がする。
「そのためにあなたたちが私達のパーティーに送り込まれたってわけ?」
チーゼルは、やられた。と悔しがる。
「その通り。神の村へ勇者に来てもらい、我々の目的を果たしてもらうためにな。」
「あなた達は人間じゃないの?人間なら目的は分かっているでしょ?勇者が現れたのよ?ずっと願ってた勇者が!」
「残念だよチーゼル…その言葉を聞いて確信した。人間は神の敵なんだな。」
チーゼルが心臓を剣で貫かれる。
同時に大きな警報が鳴って周りの仲間が目覚める。
「残念だったわね。スカーレットがやられてからずっと。勇者である太郎を取り巻く私達人間は絶対に神の軍勢に排除されると思っていたの。あなた達が捕まれば勇者は神の村へは行かないわ。あなた達の計画は失敗して、私達人間の計画が成功する。」
血を吐きながらチーゼルが自分を刺した男、ヤグルマソウを睨む。
警報を聞いて見張りをしていたアヤメ・オミナエシ・アザミの3人が飛んできた。
問答無用にオミナエシが刀でヤグルマソウに切りかかるのを、背後からモナルダが来て止める。
「あなたもだったのね…」
チーゼルが悔しがるが、アザミが召喚魔法を唱え始める。
召喚獣が出現すればチーゼル達の勝利だろう。
たとえここで全滅しても勇者にさえ、神の軍勢の目的が知れれば問題ないのだから。そうチーゼルが思っていたが、甘かったようだ。
「魔法なんて使わせないよ?」
暗闇の中からカリモーチョが現れて、強烈な光の光線でチーゼル・アヤメ・オミナエシ・アザミの4人と、仲間であるはずのヤグルマソウ・モナルダを殺した。
「カリ…モーチョ…様…」
モナルダが信じられないという目でカリモーチョを見た。
「人間なんて生き残らせるわけないでしょ?あ、君たちは人形か。」
そう言い残してその場から消えた。
その場には1枚の手紙を落としていた。




