第一章その4
ワイらは街の広場まで来た。
大きな掲示板には様々な依頼があった。
その依頼を管理しているのがギルドだ。
まぁ、あるあるだよね。
「なぁなぁタロー。このレッドドラゴン討伐ってのはどうだ?」
何々?クエスト内容レッドドラゴンの討伐、難易度<金金金>、クエスト報酬50金。
なんのこっちゃ?
「クエスト報酬の50金は魅力だが、難易度が高すぎるな。金金金なんて、今の俺たちには絶対に無理だ。」
カルドンが却下する。
結局カルドンが見繕って、作物を荒らすイノシシの討伐依頼を受けることになった。
「イノシシなら楽勝っぽいですね!」
イノシシが出るという畑へ向かいながらワイがカルドンに話す。
カルドンは片手を広げて顔の前に持っていきながら話す。
「フッフッフ。とうとう俺の実力を出す時が来たな。」
なんかブツブツ言い出した。
「なぁなぁタロー。カルドンは面白いやつだな。」
面白い?かは分からないけど変なやつではあるな。
「歩いてる最中もな、ずっと一人でブツブツ言ってたんだぞ!面白いよな!何か見えるのかな?」
ダリアは純粋だな。
それは突っ込んじゃいけないんだ。
「ダリア。それは見なかったことにしてあげるのがいいぞ。」
ワイはしっかりと教えてあげた。
ダリアは、何で―?とか聞いてくるが、きっと気のせいだ。
そんなやり取りをしていると、目の前にイノシシが現れた。
「あいつか?」
顔に近づけてた手をサッと目の前に出しながら、カルドンが大げさに言う。
更にカルドンがグラジオラスに指示を出す。
「グラジオラスよ。俺が詠唱を唱え終わったら魔法を放つのだ!速効で終わらせるぞ。他の者は危険だ!巻き込まれたくなければ下がっているがいい。」
倒すのはグラジオラスな気がするけど、まぁ一撃で倒せるならそれが一番いいだろう。
「闇より目覚めし我が力よ。今こそ解き放つ。天より響け!地を穿て!疾風のごとく!」
ここでカルドンがグラジオラスに合図を送る。
「いきます!」
………
……
…
何事も起こらない。
「えっと?」
ポーズを決めたまま固まるカルドンがグラジオラスを見る。
「私、フレアという魔法しか使えないんですけど、今のままじゃ魔力が足りなくて魔法を撃つことが出来ないんです。」
使えねー!何の役に立つんだよ!
「ごめんなさい。勇者様といれば何とかなるって思って。」
可愛い声で言われたら怒る気にもなれないわ。
カルドンはどうなんだろ?シーフって言うくらいだから、決定打はないにしろ、敵を翻弄したりはできるだろうから、イノシシくらい捕まえられそうだけど。
そう思ってワイはカルドンを見た。
カルドンは前に突き出した手を頭の後ろに持っていき、照れながら堂々と言い放った。
「フッフッフ。俺には武器がない。何しろ俺は魔導士を夢見るシーフだからな。魔法を使いたくてしょうがないのさ。魔法の知識ならある!だからグラジオラスの鍛錬は俺に任せろ!」
俺に任せろじゃねーよ!自分の鍛錬をしろよ。
「それに、俺も勇者といれば何とかなると思ってたくちだからな。」
堂々と言いやがった。何?勇者ってそんな設定なの?
そう言われても、ワイも武器はないし、戦い方なんて知らないしなー。
よくよく考えたらこのパーティー、滅茶苦茶弱いんじゃね?
チートスキルで俺つえぇーとかできる気しないし。
「ダリアが倒すのだ。」
居た。チートキャラ。ダリアがいれば負けることないかもしれない。
「よしいけ!ダリア。」
「任せるのだ!」
イノシシに向かって走るダリア。そのままパンチをお見舞いする。
「ダリアパーンチ!」
隣でカルドンが何故か叫んでいる。何でもいいのかお前は!
イノシシが遠くにぶっ飛ばされた。
やっぱりダリアは強かった。絶対逆らっちゃだめだ。




