第十一章その1
偶然、ワイのところには多くの雨が降って来なかったから他のメンバーに比べたらダメージが少なかったようだ。
とはいえ、両手両足がダメージを受けている。
「タロー…大丈夫か…?」
うわ言のようにダリアが言っている。
全く、こんな時くらい自分の心配しろよ。
ドラゴンの拘束が解けワイらに攻撃を仕掛けて来る。
「こっちだ!」
いつかの<笑う木>での戦闘で助けられたように、今回もまた他の冒険者に助けられたようだ。
鎧に身を纏った男がドラゴンの足元を斬りつける。
――ポロロン。
近くでハープを奏でるような音がする。
女性の歌声が聞こえると不思議と体の痛みが無くなっていった。
「吟遊詩人か。」
カルドンも立ち上がっていた。
「皆さん!ドラゴンは倒せません。一旦りんご市まで退きます!」
ドラゴンの攻撃を巧みによける戦士の男がそう言って、土煙をあげた。
アイテムを使わなくても、剣でこんなことができるなんて相当の達人なのだろう。
戦士の男と吟遊詩人の女に助けられてワイらは何とか、<ミニブルードラゴン>から逃げ出せた。




