第十話その2
「ゼウス様。私の息のかかった者を2名動かしました。じきに勇者に接触すると思われます。そのまま村へ誘導しつつ魔族討伐を促してよろしいでしょうか?」
<色欲のジントニック>が訊ねると<最高神ゼウス>は1つ頷いた。
「キティの情報共有も後ほど行います。カリモーチョが扇動を担当してくれるそうなので、その後すぐにキティによる情報共有を行いましょう。これで勇者はここに来るはずです。上手く行けば魔族の敵となってくれるはずです。」
その言葉を聞いたジントニックはその場を後にした。
「ジントニック。君の息のかかった者が動き出したと聞いたよ。勇者と接触する前に私の力で勇者に情報を与えるから。」
<真理のキティ>が<色欲のジントニック>に言う。
「えぇ。シャンディガフの人形に記憶を与えて勇者と接触するようにしたわ。カリモーチョはどこかしら?」
「そのシャンディーガフのところだよ。人形を使って扇動するんだって。人形はあくまでも人形だから情報がないと動かないのに。」
やれやれとキティが首を振る。
「そのために私の力が必要なんじゃないかしら?」
ジントニックが少し考えながら言う。
それを聞いたキティもハッとした顔をした。
「そういうことか。カリモーチョめ。えげつないことを考える…」
キティの言葉を聞きながらジントニックは、<傲慢とシャンディガフ>のところへ向かった。
シャンディガフは洞窟の中にいた。
「来た来た。ジントニック、あんたを探しに行こうとしてたんだ。ジントニックとシャンディガフが勇者にちょっかいを出すと聞いてさ、ボクのナイスな扇動方法を思いついたのさ。」
「ちょっかいではない。ただの接触だ。」
ニヤニヤするカリモーチョにシャンディガフが間違いを正した。
「うんまぁ。どっちでもいいんだけどさ。シャンディガフ、あんたの<コピー>の力で村の人間のコピーを作って欲しいんだ。それをジントニックの<記憶改ざん>の力で情報を与えて人形から人間に変えて欲しいんだ。こうして村人として勇者に接触させるんだろう?」
ヘラヘラしているが、さすがは神の軍勢。
シャンディガフとジントニックのやったことを的確に当てた。
「俺が作れるのはあくまでもコピー。生命体をコピーすることはできないからな。だがそこにジントニックの力で記憶を注入すれば、これまでこうして生きていたという間違った情報を与えることで、生命体でないはずのコピーが動き出す。」
「でもね。それ凄く大変なのよ?心臓や脳とか様々な体の器官にそれぞれ役割としての記憶を与えないといけないから。」
やれやれとジントニックが言う。
「でも、ジントニック。あんたなら可能だろ?それぞれの臓器などの器官を持ったコピー人形を作ることも、シャンディガフ、あんたなら可能なはずだ。そしてボクの力でその人形を<変身>させる。」
ニヤリとカリモーチョがほくそ笑む。
シャンディガフは、そういうことか。とカリモーチョの考えを読む。
一方のジントニックは、やはりね。と心の中で確信した。
「人間はボク達神の供物でしかない!なのにボク達神に逆らおうとしているとオペレーターが言ってた。供物は供物らしくさせなきゃね。」
カリモーチョは、不敵な笑みを浮かべた。




