第三十三章その5
マティーニの腕の傷から出てきたのは、大量の刃物だった。
「もしかしてこいつ。自分を改造したのか?」
「イヒヒ。自分を改造じゃなくて、ウチ自身も人形なんだよぉー!」
体中のツギハギが剥がれると、中から詰まっていたであろう刃物が次々にワイらに飛んでくる。
刃物は防壁で防がれる。
「無駄無駄ぁー!ウチの中に入ってた物は特別製だからぁー!」
マティーニがそう言うと、防壁で防げたと思った刃物がワイらに襲い掛かってきた。
「防壁はどうなってんのさ?」
チラコンチネが顔を腕で覆いながらパラナに聞いている。
「不可解。防壁消滅。」
1が言うがよく分からん。
「あの刃物のせいで防壁が壊れたってこと?」
「そういうわけではありません。そうではないのですが、刃物が当たった瞬間に防壁が消滅したんです。」
パラナが説明してくれる。
破壊されたわけじゃなくて消滅されたってこと?
「イヒヒ!ウチの体内から出てきた物に触れるのは危険だよ!」
腕を飛ばしてくる。まるでロケットパンチだ。
けど速さはそこまでないな。
ヒョイとダリアが避ける。
「本体を叩けば問題ないのだ!」
「イヒヒ。正解だけどウチもそんな簡単にはやられないよ。」
ダリアがパンチをした。
…
!?
「何をしているのだ?タロー?」
「イヒヒ。ダーリンありがと♡ウチを守ってくれたんだ?でも、ウチを見限ったダーリンなんていらないんだ。」
体が勝手に動いた。気が付いたらダリアのパンチを受けていた。んで今マティーニがワイの背中をナイフで刺した。
「勇者が操られてる?」
チラコンチネが驚く。
「ですが、<人形>の力であって操作の力ではないはずです。」
タイニーが冷静に分析してくれるが、多分チラコンチネが正しい。
「俺は気にするな!こいつを倒すことだけ考えてくれ。」
「イヒヒ。無理。」
ワイがみんなに言った時にはもう遅かった。
さっきマティーニが飛ばした腕が、マルガリータが持っていた植木鉢を持っていた。
植木鉢からは、太い謎の植物が出ていてワイらのパーティーを全員捉えていた。
「この力はマルガリータとかいう女の力だろ?」
唯一植物に捕まっていないのはワイだが、ワイはマティーニに操られている。でも思考はしっかりしているんだよな。
「さっきマルガリータが人形に食べられていました。」
タイニーが植物に捕まりながらもごもご言う。
そうか!人形で食べたやつの力を手に入れられるのか!
「イヒヒ。その通り、レッドアイの<空間創造>の力で君たちの防壁を消滅させたの。マルガリータの<植物>の力は弱いけど、ウチなら上手に使いこなせる。そしてお姉ちゃんの<傷>の力!ウチは今最強の存在になったの!」
イヒヒと耳障りな声で笑っているマティーニは気が付かないのだろう。
上空から巨体が降ってきているのを。
「誰が最強だと?」
野太い声が言った。




