第三十三章その4
――魔王城。
ブッドレアが振り下ろした大斧は、ブラッディメアリーが受け止めた。
「ゼウス様!お下がりください。」
<鉄>の力で作り出した盾と鎧をブッドレアはいとも容易く破壊した。
「ふん。ワシはめんどくさいことが嫌いじゃ。ワシに悪影響がなければ放っておいたものを。攻められたり悪影響があると分かればワシ自ら倒しに行くことに気がつかなかったのか?<神の軍勢>はもはやお終いじゃ!」
豪快に大斧を振り回してブラッディメアリーを攻撃する。
情けも容赦もない。
『あぁ――これが魔王の力…大戦争時代最強を誇った者の力…カルーアミルク達ですら倒せなかった最強の魔王――』
ブラッディメアリーはブッドレアによって瞬殺された。
「ブラッディメアリー!」
ホワイトレディが<空間転移>の力でブッドレアの真後ろに出る。
しかし――
「遅いな。」
ブッドレアの反応速度は常軌を逸していた。
「なっ…」
その速さを知ったゼウスが絶句する。
ホワイトレディは目の前でブラッディメアリー同様に瞬殺された。
「さぁ。幕引きといこうか。」
大斧を肩に担いでブッドレアがゼウスに迫る。
「化け物が!」
行く手を阻むようにモスコミュールが両手を前に出す。
「ゼウス様!どうかお逃げください。ジンフィズ達と体勢を立て直してください。」
同様にシャンディガフも両手を前に出す。
ブッドレアが2人を瞬殺する一瞬のスキを突いて、大量の雲を発生させて目隠しをしてゼウスは魔王城を後にした。
『魔王ブッドレア…ここまでとは驚きです…前回の戦争では本気ではなかったということですか…呪いをかけるどうのこうの以前の問題ですね…あれは倒せない…魔王の娘を人質に使うしか方法はありませんね…』
ブッドレアはゼウスが<神の村>へ向かうことに気づいた。
「ふん。させぬわ!」
開け放された窓からブッドレアがジャンプすると、ジェット機よろしくのスピードで<神の村>へ向かった。
途中でゼウスを追い抜いたことすら、ブッドレアは気がつかなかった。




