第三章その6
「なぁなぁタロー!これ美味しいぞ!」
大きな肉を頬張りながらダリアが言う。
そのままワイに肉を食べさせてくる。
「ちょっと待って!ウチが勇者に食べさせる。ダリア、あんたは1人で食べてな。」
「それなら僕が食べさせるから、ダリアちゃんとローゼルちゃんは自分のを食べててください。」
ヒゴタイがダリアとローゼルの戦いに参戦した。
「太郎、君は人気だな!」
フッフッフ。と笑いながらカルドンが見守る。いや止めろよ!
「マスターも人気者になりたいんですか?」
グラジオラスが素朴な疑問を投げかける。
「考えが甘いなグラジオラスよ。俺は人気者になりたいのではなく、魔法使いになりたいのだ!」
ダメだこの人。完璧に中二病を拗らせてる。
「そういえば、ヒゴタイとアヤメって回復士と騎士なんだよね?何で2人だけで森にいたの?」
ワイがふとした疑問を投げかける。
答えたのはアヤメだ。
カラコンを入れたブルーの瞳を真っ直ぐこちらに向けながら語る。
「私たちは、この街の討伐依頼の1つ、《ビッグラット》の討伐を受けていたんです。」
「それって強いん?」
肉を食べながらローゼルが訊ねる。
「ネズミを大きくしただけなので、強くはないのですが、レモングラスの森にはさっきの蛾とか厄介なモンスターが多いんです。」
ローゼルとアヤメの会話を見てると頭おかしくなりそうだな。
「ふむ。それなら俺たちもその依頼を一緒に引き受けてやるのはどうだろう?」
カルドンが提案をし、ダリアが面白そうと賛成した。グラジオラスは、マスターが言うことなら。と完璧に師弟関係になっている。
「俺たちの依頼はどうするんですか?」
一応ワイらにも依頼があるので、それをどうするか訊ねてみた。
「む。そちらは特段急ぎというわけではないだろう。それに、たいしたことないモンスター退治ならすぐ終わるだろうよ。」
フッフッフ。と謎の自信を持っている。
今まで通りダリア任せなのが目に見えてるんだよなぁ。
ほんとこのへなちょこでヘンテコなパーティーってダリア一強なんだよなぁー。
「ま、いんでねーの?なんとかなるっしょ!」
ローゼルは相変わらず能天気だ。
「何の話してるのぉー?」
ここにオネェ受付がやって来た。
「実は俺たちすいかシティでの依頼を受けて、この街に来る途中でこの2人に会ったんです。」
要点をかいつまんでカルドンが説明する。さすが最年長!
「なるほどねぇー。確かにこの街ではビッグラットの被害が少なからず出てるから、それらを駆除してくれるのは助かるわねー。」
鼻と口の間に生えたチョビ髭をいじりながら、オネェ受付が言う。
そうだ!とばかりに両手をパチンと叩いて提案してきた。
「じゃあこうしない?アタシのこの書類をすいかシティに届けるついでにビッグラットを討伐するのはどう?ちょうどあなた達にお願いしたいこともあったし、その後またここに戻ってきてちょうだいな。」
こうしてワイらは、なんやかんやで色んな依頼を引き受けることとなった。
〔依頼内容〕
・すいかシティから書類をりんご市まで届ける 完了
・りんご市から荷物を預りすいかシティまで届ける 報酬…全員分の装備
・ビッグラットの討伐 報酬…10銅 場所…りんご市
・りんご市でオネェ受付の依頼を受ける 報酬…? 難易度…?




