第三十二章その8
ワイらは迷宮を順調に進んでいた。
言葉通りに順調に。
ダリアとヘリックスが迷宮の壁を破壊してひたすらに真っ直ぐ進んでいた。
「まぁ確かに迷宮を丁寧に進む必要ってないもんね。」
チラコンチネが苦笑いしながらワイに言う。
ワイの提案じゃないよ?ダリアが言ったんじゃん?
迷路を進む必要はないって。だからワイはちょっと好奇心で言っただけ。
壁って壊せるのかな?って。
ダリアとヘリックスがいきなり壁に攻撃して、そのまま真っ直ぐ突き進むことになったわけだ。
「まさかこんな迷宮の進み方も知らぬような奴らに、ここまで追い込まれるとはね…」
女がふう。とため息をつきながら道の影から出てきた。
緑色をした短髪を右耳の下の方でちょこんと縛った小柄な女だった。
小さな顔に大きなくりくりの目に長いまつげ。
一般的に可愛いと言われるタイプだろう。
でもね。勘違いしている。
ワイは迷路の進み方を知らないわけではない。この進み方はあえてだ!
「ゼウスはどこにいる?」
無駄と分かっていても訊いてみた。
「さぁね。」
そう言うと女は、床に置いてあった植木鉢を拾った。
何だ?
「間に合ったか。」
聞き覚えのある声が女の先からした。
ジンフィズだ。
隣のダリアから殺気が漏れ出している。
「お前ぇー!」
問答無用。
ダリアが全力でジンフィズへ向かって行った。
一拍遅れてチラコンチネ・ヘリックス・ワチワヌイ・1が続いた。
ワイ・ティム・パラナ・タイニーは女と対峙した。




