第三十二章その3
みんなの話によると、ワイは半月もの間精神が破壊された状態だったらしい。
不思議とその時の記憶はなく、なんとなくうろ覚え程度の光景が頭を過ることはあるが、思い出そうとすると、頭が痛くなる。きっと体の防衛本能なんだろう。
ワイが半月ぶりに目覚めた時、不思議なことにワイもダリアも始めて冒険をした時のことを夢に見ていた。
偶然なんだか、なんだかは分からないけど、そういうのが復活するきっかけだったんかね?
ワイの両手足は中途半端に再生されてた。
「この手足って、あとどの位で復活するの?」
「1週間くらいかと。」
パラナはそう答え、痛みますか?と訊ねてきた。
痛みはない。むしろ感覚が全てない。
「はいタロー。あーん。」
そんなわけでワイは、いいようにおもちゃ扱いされている気がする。特にダリアなんて、何かにつけてワイがどうのこうのと言って、ワイと行動を共にしようとしたがる。
まぁ、記憶が正しければダリアは泣きながらワイにキスしてくれたんだよな。ワイのことを本気で思ってくれたわけで、そこはもう感謝しかない。
「ところで、半月の間にみんながレベルアップしたことは分かったんだけど、もっと仲間増やせないかな?」
ワイがそう言うと、全員がメンバーを増やそうとしたのでワイが止めた。
「えっと。そういうことじゃないんだ。あいつらはきっと魔王を倒しに行くと思うんだ。まずは魔王の城に何人か派遣してもらって、残りは神のいる根城に俺たちと一緒に攻めてくれればと思ってさ。」
つまり行動を共にしようってわけじゃない。
それでもみんな快く引き受けてくれ、ティムに乗って伝令役となり、翌日には全員が戻ってきた。
早急に魔王の城に数名が向かってくれたそうで、1週間後をめどに神の根城にも数名が攻めてくれることになった。
準備は整った。
「俺らもティムに乗って、<神の軍勢>を倒しに行こうか。」




