第三十二章その2
「なぁなぁタロー!あの鳥見てみろよ!うまそうだな?」
「カラフルで奇抜な鳥だ。うまそう?ではないよな。アホっぽい見た目してるし。」
「タロー見てみろよ!このキノコ食べれそうだな?」
「ニヤニヤ笑ってるキノコは絶対に食えない!」
「タロータロー!」
何度も何度もダリアが太郎を呼ぶ。
その度に太郎は必ず返事をしていた。
………
……
…
――ガバッ!
「タロー!」
思わず叫んだダリアは、一瞬辺りの景色に呆然とした。
真っ暗闇だった。
手に持つ毛布を見て、夢を見ていたのだと気づく。
『そうだったのだ。タローと一緒に寝てて…タローの夢を見たのは久しぶりだな…一緒に冒険をし始めた時の夢だったのだ…』
もぞもぞ隣で動く気配。
太郎を起こしてしまったと気づいた時には遅かった。
「ん?あ。ダリアおはよう。」
「あぁタローごめんなのだ。起こしちゃったのだ。」
「ってまだ夜じゃん。ダリアが呼ぶから朝かと思ったのに。」
「だからごめんって…タロー?タローなのか?」
ダリアが太郎の量頬を両手でむぎゅっと潰して、顔を近づけてよく見る。
「いでででで。俺が太郎じゃなかったら誰なんだ?」
「タロー!よかったのだぁー!」
ダリアが太郎に抱きついてわんわん泣いた。




