第三十一章その1
「!」
ジンバックとカシスウーロンが死んだことにすぐにレッドアイが気が付いた。
「ジンフィズが早く戻らないと…」
レッドアイの呟きは、隣にいるジントニックには聞こえなかった。
ジントニックはマティーニの暴走に冷や冷やしていた。
マティーニは今、勇者に訳の分からない注射を打っていた。
「イヒヒ。これでダーリンもウチのことをもっと好きになってくれるわ。」
ウフフと気味の悪い笑みを浮かべている。
「あれで愛情表現なんて…かなり歪んでいるわ…」
ジントニックの呟きもまた、レッドアイには聞こえなかった。
「マルガリータと連絡が取れた。最悪マティーニを抑えてくれるだろう。」
シャンディガフが言う。
「<植物>の力ならマティーニを抑えられるかもしれないわね。ジンフィズだけで何とかなればいいんだけど…」
ジントニックが指の爪を噛む。
「マティーニはどうだ?」
ジンフィズがやっと来た。
開口一番に訊いたジンフィズは、誰の返事を待つまでもなくマティーニの元へ向かう。
「マティーニ。勇者を殺す。こちらに渡せ。」
「邪魔しないで<豪雪>!」
マティーニの目がギラギラしている。
「邪魔するなら<豪雪>から消すよ?」
「!マティーニ、君勇者に何打った?もう精神が元に戻ることはない。こんなの生きている内に入らんだろう。」
マティーニの横を滑って太郎の顔を見たジンフィズが驚く。
「触らないで!」
マティーニが殴るのをジンフィズが避けて、太郎をレッドアイの元に連れていく。
「勇者を頼む。確実に殺してくれ。マティーニは俺が止めよう。」
ジンフィズがマティーニと向き合う。
「ウチのダーリンに触るなぁー!」
マティーニがくまのぬいぐるみとドール人形と日本人形を出した。
3体は見る見る大きくなっていく。
「ダーリンを取り返せ!」
マティーニが命令すると、人形たちがレッドアイの元へ向かった。
「レッドアイ!逃げろ。シャンディガフ、ジントニック!人形を止めろ!マティーニは俺が止める。」
「止める?<豪雪>。君ウチの強さを忘れたの?」
マティーニの目がギラついた。




