第二十八章その4
「まずい!」
ジンフィズがさっき以上に慌てている。
何がまずいのかワイには分からなかったが、直後その意味が分かった。
ダリア達が破壊したドール人形が全て合体して巨大なドール人形になったのだ。
それだけではない、明らかに余ったパーツはこちらに飛んで破裂した。
威力そのものは大したことないが、人間の腕くらいなら平気で吹き飛ばすだけの威力はある。
しかもこちらにジンフィズがいるにも関わらず、見境無しに余ったパーツを飛ばしてくる。
「イヒヒ!ここはね。ドール人形の間と呼ばれているの。ウチの可愛いいお友達達が敵を葬る場所よ!」
甲高い声で叫びながらマティーニが言う。
「あいつはテンションが上がると見境無しに攻撃してくる。そこが厄介だ。」
なぜかジンフィズが網から抜け出ていた。
「なに。俺の力で網を体から滑らせただけのこと。俺には物理攻撃は効かないと思った方がいい。」
やれやれと首を横に振りながらジンフィズが言う。
「先ほど勇者は反撃開始と言っていたが、どの辺が反撃開始なのか聞きたいものだな。」
地面を滑ってワイをまたパンチしてくる。
これ…すっごく痛いんだよ…
「私の防壁の影に避難してください。」
パラナが地面に手を付きながら言う。
「!守ってあげてください。」
タイニーがワイに言う。
分からんが、守れと言われるなら守ろう。
「ふっ。」
ジンフィズが地面を滑ってパラナを攻撃してこようとするのを、間に入ってワイがパンチを受ける。
これで3度目。いい加減顔が腫れてきてる感じがする。
「タ…タロー?」
ワイの顔を見て疑問形になるのはやめれ!
「俺のことはいいから、パラナを守ってくれ。」
「地面に手を触れていないと防壁が消える魔法だと思われます。」
ワイの言葉をタイニーが補足してくれた。
なるほど。やっぱ魔法ってよく分からんな。
とりあえず、マティーニのあのパーツ飛ばし攻撃はパラナの防壁で防げるからよしとして、ジンフィズには、ダリア・チラコンチネ・ヘリックスの3人で対応してもらおう。ワイでも対応できる時あるから何とかなるだろう。
問題は、巨大なドール人形か…
「私と1とティムで何とかするしかありませんね。」
ワチワヌイが巨大なドール人形を見ながら言う。
「そうだけどあれ、どんな効果があるか分からないよ?」
ワイが注意するが、巨大なドール人形が気味悪くケタケタ笑いながら防壁に近づいてくる。
どんな効果があるか分からないけど、人3人分の巨体での攻撃なら、単純にその攻撃力で防壁を破壊出来てしまいそうだ。




