第三章その3
「ダリアパーンチ!」
カルドンが叫んでダリアが周りの虫を追い張った。
「大丈夫か?」
ワイかっこいいー!これで絶対モテること間違いなし!
1人は長い茶色い髪の毛をツインテールにしている。瞳も茶色でとても可愛い。
「ありがとうございます。僕はヒゴタイと言います。こちらはアヤメです。」
ふわふわの毛先をかき上げながら隣の金髪少女を紹介してくれた。
声も可愛い!
アヤメと紹介された子はいかにもギャルっぽくてちょっと苦手なだぁ。ローゼルと気が合うんじゃないか?
ショートカットにした髪の色だけじゃなくてカラコンまで入れてるし。
服装もギャルそのもの。ミニスカに派手なつけまつげ、胸元の大きく空いた肩とへそが出てるシャツ。
絶対ギャルだ。関わりたくねー。
「初めまして。アヤメと申します。一応騎士をしています。危険なところを助けていただき、ありがとうございます。」
声小っさ!喋り方真面目か!
もう見た目だけローゼルと交換しろよ!なんかこっちがおかしくなりそうだわ!
みんな見た目と中身が全然違うんだよなー。
「悠長に挨拶なんかしてる暇ないぞ!」
カルドンが鋭く叫ぶ。
虫たちは追い払っただけで倒したわけではなかった。
背筋がゾクゾクする。全身に鳥肌が立つ。
苦手な人は少ないかもしれないけど、囲んでいた虫は蛾だった。
「気をつけてください!囲まれたらアウトです。」
<悪意の蛾>と呼ばれる集団で獲物を襲う品種らしい。
集団で囲って毒鱗粉で敵を倒すというので、恐ろしい。
「いくぞグラジオラス!わがもとに召集されしは令名たる炎の献身!邪悪なるものを焼き払え!紅蓮の炎!ファイア!」
はいっと軽く返事をしたグラジオラス。最近ではカルドンの合図なしに魔法を放てるように成長している。
ファイア一発で魔力は使い果たすんだけどね。
「勇者様のお役に立てたでしょうか?」
肩で息をしながらそんなことをカワボで言ってくれる。
嬉しいけどそれどころじゃない。蛾の大軍がなぜかワイめがけてくる。
後ろの可愛い子ちゃんたちを守るためにも、ここで逃げるわけにはいかない!
ワイは木の棒を拾って構える。
生まれて初めての戦いの相手が蛾とは!
「うりゃああああー!」
めちゃくちゃに木の棒を振り回す。
かっこ悪いなワイ…
「さすがです!勇者さん!」
背後から可愛い声で褒めてくれるのは、確かヒゴタイだっけ?めちゃくちゃ可愛い子!
もうこの子以外みんな変だし、この子がヒロインでいいんじゃないかな?
「横、気をつけてください。」
ミニスカでパンチラしてるアヤメとかいうギャルはしっかりと注意してくれた。
良い子なんだけど見た目がねー。
たくさんいた蛾は、ダリアのパンチとグラジオラスの火でほとんどがいなくなっていた。
更にワイが適当に振り回した棒でみんな退散してくれたようだ。




