第二十八章その2
ジンフィズが素早く滑って行動する。
マティーニはドール人形を自由自在に動かしている。
「はぁ!」
ダリアとヘリックスが人形を破壊して回る。
ジンフィズはパラナへ狙いを定めて移動している。
エルフ族の魔法が厄介だと気づいたのかな?
「させないよ!」
チラコンチネが走ってジンフィズに追いつき、横から殴ろうとする。
「ほぅ?俺のスピードについてこれるとは流石は猫人族だ。」
上から目線でジンフィズが褒めたと思ったら、突然スピードを上げた。
「マジかよ!」
舌打ちをしつつジンフィズを追うが、その距離はどんどん離され、あっという間にパラナの目の前に現れた。
「私を狙っていることは気づいていました。」
そう言うとパラナは、何やらよく分からない魔法を発動させた。
「む?」
ジンフィズが眉をひそめる。
「体を重くする魔法か…」
そう呟くが、見た目にはジンフィズの動きが遅くなったようには見えない。
むしろ早くなっているような気がする。
「攻撃:開始。」
1がパラナの背後から突如現れた。
今までの砲撃とは違う、網を放出する攻撃だ。
なるほど!これでジンフィズを捕らえる作戦か!
作戦が効いたのか、ジンフィズが網にかかりもがいている。
「油断した…俺としたことが…」
「私のさっきの魔法は、あなたの体を重くする魔法と、あなたの動きを捉えやすくする魔法です。」
「なるほどな…体が重くなったことで騙されたというわけか…だがそれだけではどうすることもできまい!」
ジンフィズは、<滑る>力で網から逃れようと動く。
「警告:次に抵抗すれば電流を流す。」
1がそれをさせない。
「<豪雪>が捕まった…ウチが<豪雪>もろとも殺しても問題ない!」
イヒヒと笑いながらマティーニが両目を大きく見開いた。
何かしてくる!
直感的にそう感じたワイは、ダリアとヘリックスを一度退かせた。
「何なのだ?背筋がゾクゾクする感覚があるのだ。」
そう。ワイもその嫌な感覚がある。
だがとりあえずやることがある。
「1!そいつにとどめを。」
身動きが取れない敵をそのままにしておくのももったいない。
倒せる時に倒しておくべきだろう。
「了解した。」
そう言った1が最大出力の電流を流してジンフィズにとどめをさそうとした時、それは起こった。




