第二十七章その7
――あれ?ワイ死んでない?
思わずキョロキョロと周りを見渡す。
仲間はみんな戸惑っている。
ジンフィズとマティーニは相変わらず棒立ちだ。
どことなく憐れんだ目で見られているのはきっと気のせいだ。
「えっとさ、こういう言い方はよくないのは分かってるんだけどさ。」
もの凄く言いにくそうにチラコンチネが言う。
分かってる。分かってるから言うな。
「勇者は死なないの?」
言うなよ!
ワイだって思ったよ!
死ぬと思ったからあんな恥ずかしい発言したのに!
「ダ…ダリアはタローが生きていて嬉しいぞ。」
ちょっと慌てたように言うが説得力がないぞ。
でもみんなの気持ちも分かる。
ワイだってあそこで逆らって死ぬと思ったもん。
呪いにかかってないとか?
「不可解。勇者は呪われていない。」
1が言う。
はい?
「…もういいよ。」
ポツリとマティーニが言う。
え?
聞き返そうとしたが、その前にジンフィズがマティーニに同意した。
「その通りだな。勇者は我らの敵であることが分かった。他の仲間には用がない。」
え?どういうこと?
「よく分かんないけど、騙されたってことなのかな?」
チラコンチネがギロリと敵を睨む。
「別に騙していたわけじゃないし。普通に勇者に呪いをかけるのは本当。でもまだかけてない。魔王を倒してくれるつもりならかけるつもりもなかったのも本当。」
マティーニがブツブツと言っている。
「まだってことはこれからかける可能性があるってことですわ!」
タイニーがワイに注意を促す。
「その前に倒せばいいのだ!」
ダリアが駆け出す。
よう分からんが、まだワイに呪いがかけられていないことだけは分かった。
んでもって、逆らったからこれからかけるって?
んな宣言する意味が分かんないな。
「果たして倒せるかな?」
ジンフィズが文字通り地面を滑ってダリアに向かう。
かなり早い!
この戦いに勝てば呪いにかけられないかもしれないんだ。
悪いが気持ちも昂るし、負けられないのはこっちだ!
感情が爆発した。




