第二十七章その4
「ねぇモスコミュール。聞きたいんだけどさ。」
ジンバックが声をかけると、モスコミュールは、何だ?とぶっきらぼうに返事した。
「ゼウス様は最初、モスコミュールに勇者を呪えって言ったんだよね?そしたらすぐにマティーニが来て、呪いのぬいぐるみを作れに変更になったわけでしょ?何で急に回りくどいやり方に変更したのかな?」
「俺にはゼウス様のお考えが分からない。そもそも<呪い>の力は戦闘向きでもなく、殺すのにも向いていない。何かをしたら呪うという前提条件が必要だしな。なのに、わざわざ人族を呪いで殺した。どういう意図があるのか分からない。」
ふーむ。とジンバックと2人で考えていると、レッドアイが自分なりの見解を述べた。
「ボクが思うにさ、魔王を倒すために<呪い>の力を使ったんじゃない?魔王に呪いは効かなくても人族には効いた。勇者にも効くかもしれない。そう思わせて交渉するのが目的だったんじゃないかな?」
「なるほど。保険として俺の<契約>の力も使ったわけか。」
カシスウーロンが横から口を挟む。
更にレッドアイが続ける。
「そうそう。でさ、勇者には人族という括りでは呪いが通じなかったわけだ。それが人族限定だったからなのか、そもそも勇者には呪いが効かないのかは分からない。だから次は人形を攻撃したら呪うという方法を取ったんじゃない?それでも効かなかったらもうお手上げだよね。」
「だけど、少しは効いてたよね?」
日本人形の呪いが太郎に効いていたことを思い出してジンバックが言う。
「可能性にしかならないけど、例えば死ぬ呪いは効かないってパターンもあるし、さっきも言ったように人族って括りにならないのかもしれないね。」
指を立てながらレッドアイが自信満々に言う。
どっちにしろ、クマのぬいぐるみに死ぬ呪いがかけられているから、それではっきりする。と付け足した。




