第二十五章その2
ホワイトレディとジンバックとの戦いで、暫く動けなかったワイは、文字通り満身創痍だった。
「タロー。生きているか?」
自分もボロボロなのにも関わらず、相変わらずダリアはワイの心配をしてくれる。
「あぁ。生きてるよ。」
応えながら仲間を見渡す。
みんな死ぬほどの傷ではないにしろ、かなりのダメージを受けていた。
「あのジンバックとかいうやつの力。かなり厄介なんじゃないか?」
ワイが隣で横たわったまま目を閉じて傷の回復に専念するミシシッピに言う。
「そうですね。仮にあの力が絶対に攻撃を当てられる力なら、距離とか関係ないですからね。」
魔法ではないので、実際にどんな力なのかは不明だが、それでもミシシッピが一番分析してくれそうだった。
そのミシシッピをもってしても、ジンバックの力は分からなかった。
加えてワイ達にはもう1つ問題があった。
「勇者様。これからどうしますか?その…言いにくいのですが人族は皆死んでしまいました。」
タイニーが言い辛そうに聞いてくる。
そう。ジンバックの力も厄介ではあるが、あれはこちらを殺す殺意がなかったので、今のところは脅威ではない。
脅威なんだけど脅威じゃない。
むしろそれよりも、人族が全員死んでしまったことの方が問題だった。
火も電気もガスも水も使えない街たち…
「これからはサバイバルか…」
ぼそりと呟いたが、誰にも聞こえなかったようだ。
「そうだな…これからは自分達で全部用意する必要ができちゃったし、とりあえず街の物を貰って<神の村>を目指すか…」
そこまで言ってワイは口を閉じた。
<神の村>へ行って何をする?
「タロー。神と戦うならパパに会いに戻らないか?」
ダリアに言われてはっとした。
そう言われてみたらそうだ。
わざわざ敵地に乗り込む必要もない。
みんながダリアを見る。
「それ賛成。」
チラコンチネだ。
隣でトラガスも頷いている。
「よし!魔王城に戻るか!」
こうしてワイ達はひとまず魔王城に戻ることにした。
ブッドレアを仲間にして、<神の軍勢>を徹底的に叩くつもりだ。
まずは<みかん町>で食糧などを調達する。
休んで傷を癒して、それから<ラベンダー湿原>に向かう。




