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第二十五章その1
神界――
「これでブッドレアは私たちに手出しできなくなりました。」
ゼウスが満足気に言う。
「ゼウス様。勇者と本当に敵対するのですか?こう言ってはなんですが、我々からしたら勇者よりも魔王の方が厄介かと。」
魔王城に付き添っていた<謙虚>のカシスウーロンが訊ねる。
「その通りです。勇者には呪いを理由に魔王を討伐に行って貰います。魔王を討たなければ呪いをかけて殺す。魔王を討てば呪いをかけずに生かす。と持ち掛けるのです。」
「なるほど…俺の力は使いますか?」
にやりとカシスウーロンが笑って訊く。
「必要ないでしょう。人族なんて所詮は自分の命が一番大切です。呪いをかけると言って脅すだけで、勝手に魔王を討ってくれるでしょう。」
なるほど。とカシスウーロンは一言残してその場を後にする。
夜風が怪しくゼウスを撫でる。




