第二十四章その4
リアとチラコンチネがジンバックに向かってパンチを叩き込もうとする。
「僕の力は戦い向きじゃないんだってば。」
軽々と避けながらジンバックが言う。
「悪いけど、勇者と魔王の娘以外は倒させて貰うわよ?」
<空間転移>の力で、突如ダリアとチラコンチネの前に現れたホワイトレディが言う。
「「!!」」
驚きながらも2人は、ホワイトレディの短剣での攻撃を辛うじてよける。
しかし――
ダリアとチラコンチネはダメージを受けて切られていた。
いや、それどころかワイもミシシッピもワチワヌイもトラガスも1もティムもタイニーもダメージを受けていた。
全員が均一のダメージを受けていた。
「なるほどね…避けても無駄なわけだ。」
ミシシッピが納得したように言う。
解析しながら回復魔法で全員の傷を癒すのはさすがだ。
「あのジンバックとかいう少年。攻撃を確実に当てることができる補佐的な力を持っているんだろうね。」
同時に全員の肉体を硬質化する魔法もかけた。
「避けることガできないなラ、その前ニ倒すしかナイ。」
トラガスが、レーザー砲を構える。
「攻撃態勢:起動。」
1も攻撃態勢を取る。
この2人の攻撃を避けられるわけがないだろう。
「私の前ではどんな攻撃も無意味よ。」
ホワイトレディが片手を前に出して言う。
「それに僕の力が分かってないんだろ?」
にやにやしてジンバックが言う。
あのにやにや顔がイラつくなー。
「勇者殿、前みたいに感情を高ぶらせることはできませんか?」
ミシシッピが無理な注文を言ってくるが、無理だ。
1とトラガスのレーザー砲は、やはりホワイトレディの力の前ではあまり効果がないようだ。
「前みたいに陽動が必要ですね。」
ワチワヌイがワイに言ってくる。
よし、それならば。
「ティム!」
ワイはティムを呼んでその上に乗る。
「ドラゴンが上に人を乗せるのか!」
ジンバックが驚いた声を出す。
そのままホワイトレディに突っ込む。
狙いは当然転移の力を使わせること。
ワイの考えでは、転移した瞬間に連続で転移はできないと見た!
更にジンバックの方にブレス攻撃をして、攻撃を当てる力?みたいのを使えないようにしておくことも忘れない。
ブレスで煙幕をあげておく。
「うわっぷ。なんだよこれ!勇者が本当にドラゴンを操ってるのかよ。」
煙幕のおかげでどうやら力を使えないようだ。
「一時退避しときましょ。」
狙い通りホワイトレディが、転移の力を使った。
ちょっと違ったのは、ホワイトレディが移動するかと思ったらジンバックを移動させた。
それほど重要な力なんだろうか?
「まぁでもそれなら<空間転移>の力を潰させてもらおうか!」
ティムがホワイトレディに噛みつこうとした瞬間――
ボグッ。
何かに殴られたような感覚。
その一瞬のスキをついてホワイトレディに逃げられた。
「どうやら攻撃を必ず当てる力とは違うようだね。」
そう言うミシシッピを見ると、ミシシッピも何かに殴られたような感じだ。
やはり全員が攻撃を受けていた。
「あいつの力が分からないと危険なのだ。」
ダリアが焦るように、いつ致命傷の攻撃をされるか分からないのは脅威だ。
「どんな力か分からないならば、本人に聞けばいいだけです!」
タイニーがジンバックをロックオンする。
よし、ワイ達は援護だ。
「アタイとダリアは転移の女を狙うよ!」
チラコンチネが走り出す。
1がマシンガンでジンバックを撃つ。
「援護スル。」
トラガスはチラコンチネとダリアを援護するようだ。
そうしている内にもミシシッピの魔法がかかり、ダリアとチラコンチネの体が軽くなる。
ワイは再びブレスの煙幕でジンバックの視界を奪う。
「そう何度も同じ手が通じると思ってるの?」
煙幕の中でもパンチの攻撃はできるようだ。
「相手の動きを封じた方が早そうですね。」
ミシシッピが、動きを遅くなる魔法をジンバックにかける。
「くそ!なんだよこいつら!」
ワイらの連携に嫌がるジンバックを助けるためにホワイトレディが<空間転移>で煙幕の中に入ってくる。
「なかなか厄介なようね。」
そう一言言って<空間転移>で逃げる。
去り際にジンバックがナイフで全員に再び攻撃をしてきた。
「次会った時には完全に殺してやるから!クソ虫どもが!」
捨て台詞と共にジンバックとホワイトレディは去っていった。
ワイらもすぐには動けない。
最後のジンバックの攻撃はかなり強かった。
今までの攻撃は、たぶんワイとダリアがいるから手加減していたのだろう。
最後だけ逃げるために死なない程度の重傷を与えてきたんだろう。
ワイも含めてみんな暫くは動けなかった。




