表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
99/102

#94 ハバネvsギルネジール

 思っていた通り、苦戦することもなくラズリが勝利した。


 まあ、普段からやってる浮島での自動人形(オートマタ)たちとの鍛錬を見てたら、当然だと思えるんだよなぁ。


「今のラズリちゃんでも、攻撃に専念できれば上級ハンターに迫るほどなのですから、あのチームなら負けすはずないのです。」


「確かに攻防を器用にこなすなんて今のラズリにはまだ無理だからなぁ。」


「ん、力押しでも、勝ちは勝ち。ラズリは、スゴイ!」


 納得の勝利だったようで、みんなに褒められてラズリも嬉しそうだ。


 さーてと、最後は私の出番だね。


 相手は魔導操術師のギルネジール、私と同じ魔道具使いということになるらしい。


 自身で見つけ出した古代魔導器(アーティファクト)を改修改造したのを自在に使いこなすんだそうだ。


「お前も俺のようにそのドローンとかいう魔道具を操って戦うらしいな。」


 どうやらこの人、魔法の発動体として魔道具を使うタイプではなく、私のドローンみたいに魔道具自体を自在に操って戦うタイプのようだ。


「私のドローンって魔道具って言って良いのかなぁ。

 とりあえず難しいことは置いといて、大先輩の胸を貸してもらうとしますか。」


 初めて相手にするタイプだし、ちょっと興味深いかも。どんな戦い方をするんだろうか?


 これが最後の対戦と言うことだからか、手下に向かって大親分さんが何か話し始めた。


「なんだかんだでもう最後の対決か!

 それにしても小娘どもが全勝とは、お前らの連れてきた連中、ちょっと情けねえんじゃねぇか。」


 その場にいる幹部たちがこそこそと顔を見合わせながら、視線をそらすように目線をさ迷わせている。


「・・・と言いたいところだが、今回は単に運が悪かったってとこだろうよな。

 負けた連中も、十分に強かったと思うぜ。

 だが、まさかこんなとんでもねぇ小娘がいるとは誰も思わんだろう、当然俺もだ。

 さぁて、俺の目の前で案だけの大口をたたいたんだ、よもや気の抜けた戦いはしねぇよなぁ、おい。」


 鋭い眼光で私を睨みつける大親分さん、流石にすごい迫力ぅ!


「うーん、勝てるかどうかはやってみないと分かんないけど、まあ見てて。」


 大親分さんの威圧を軽く流して、私は軽く返事を返しておく。


「これが最後の戦いだ! ハバネとギルネジールの魔道具使い同士の戦い、では始め!」


 判定役の掛け声とともに闘技場の上で私たちは対峙する。


 私の周囲には3機のドローン、サテラ、テクト、セイバーがホバリングしながら待機している。


 対するギルネジールはローブで全身を覆い隠したまま、いまだに自分の魔道具を出していない。


 相手の出方が読めない私は、注意深く相手の挙動を監視しつつ、守りに徹していた。


「このままではいつまでも睨み合ったままになりそうだ。

 では、まずは私から行くとしよう。」


 そういうと腰の両側あたりから二本の杖の先のようなものが現れて、その杖から魔法が発動し火の玉と風の刃が飛んできた。


 その攻撃に対して、すぐにテクトが反応してシールドを展開してこれを防いでくれた。


「ほう、自動的(オート)で反応して防御を行うのか。防御に特化した魔道具ということだな。

 では次はこれだ。」


 先ほどの杖のようなものがローブの中に引っ込んだと思った、また同じように二本の杖が現れる。


 杖の先端の宝石のようなものの色が違うから、たぶんさっきと属性が違うのだろう。


 思った通り、今度は氷と岩の鋭い礫が打ち出されるが、これもセイバーの一閃で二つとも私の目の前で迎撃される。


「うむ、やはり並みの攻撃は全て防ぎきるか。」


 なんかブツブツ独り言をつぶやいたかと思うと、一人で納得したように頷いている。


「次はこっちの攻撃だよね。

 そっちは魔法攻撃主体の魔道具みたいだけど、私の攻撃をちゃんと受けられるかな?

 んじゃ、いっくよぉ!」


 私はセイバーを最速モードで攻撃させてみる。


 常人ではまず目で追いきれないだろう速度で飛び回りながら、魔力で強化されたプロペラで相手を切り裂くセイバーの攻撃がギルネジールに襲い掛かる。


 セイバーの斬撃が正に届くという瞬間、ギルネジールのローブが舞い上がり、そこから2本の鞭のようなものが飛び出してそれがセイバーの攻撃と交錯しその攻撃を弾き、セイバーが弾き飛ばされが、すぐに体勢を手立て直す。


「へぇーっ、魔法の杖だけじゃなくて鞭も使うのかぁ。 なんかビックリ箱みたい!」


 その後も縦横無尽に動きまわる二本の鞭、いや無数の蛇腹でできた触手がセイバーの攻撃をさばき続け完全に防がれいる。


 激しく動き回る2本の鞭の動きに耐えられずボロボロになったローブがその身体から脱げ落ちた。


 ギルネジールの使う魔道具の異様な姿が露になった。


 そこには、ギルネジールの背中から異様な動きを見せる6本の機械の腕があった。


 身体の中央から二本の触手が伸びており、その上下にそれぞれ属性の異なる杖を持った左右二本ずつの四本のアームがギルネジールの背中に装着された魔道具から生えている。


 なるほどねぇ、さっきの魔法攻撃はあの四本のアームからだったのかぁ。


 鞭のように自在に動き相手に物理攻撃を繰り出す2本の触手と、異なる属性の魔法を巧みに操る4本の機械腕、その背中から生えた6本のアーム、それが彼の魔道具の正体のようだ。


 これでギルネジールの魔道具の正体が判明したが、命令に対して自己判断で自在に行動する魔道具の攻撃、コンセプトは私のドローンに似ているみたい。


「俺は自分の手で究極、最高の魔道具を作り上げるために、失われた技術求めて古代魔導器(アーティファクト)を探し求めてた。

 そしてついに手に入れた古代の自動人形(オートマタ)、かなり破損していたがそれを解析復元してその技術ベースに作り上げたのがこの絡繰り義椀なのだ。

 これを作り上げた私は最強の魔道具使いとなったのだ。」


 自分の言葉に酔いしれるかのように、自分の優秀さを誇るギルネジールに対して私は・・・


「ふむふむ、変幻自在の物理攻撃に、多重魔法の同時攻撃かぁ。

 これは確かに手強そうだなぁ。」


 そんな自己陶酔な演説を華麗にスルーして、その魔道具を自分なりに分析していたんだけど、これって私の戦い方と似てるんだよねぇ、でもまあ、負ける気はないけどね。


 とりあえず、こちらも相手に合わせて戦力の増強と行きますか。


 風属性のエアー、水属性のティア、火属性のヒート、土属性のクレイを追加で呼び出した。


 これにセイバーとテクトを合わせれば、とりあえずはあっちの6本アームとガチンコで対応できるはず。


「それがお前の最強の布陣なのかい。

 まあいいだろう、ではここからはお互い、本気の勝負と行こうか。」



読んでいただきありがとうございます。


これからも応援してもらえるとありがたいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ