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#86 サクッと帰還報告ぅ?

「クロスロードよ、私は帰ってきたっ!」


 帰ってきました、懐かしきクロスロードの街に。


 そして悪ノリしている私を見るジト目が6つ。


 実年齢と精神年齢の低い若干二名と一匹は、素直に帰還を喜んでいるみたいだ。


 でも実はその前に当初の予定通り、ウエスタリアの高原地域へのグルメツアーにも行ってたんだよね。


 噂通りの美食を目いっぱい堪能し、めぼしい食材も片っ端からゲットしてきた。


 満足した私たちは、浮島の進路をクロスロードに向けた。


 光学迷彩や認識阻害などで完全にその姿を隠しきった浮島から私たちはドローンゲートで地上に降りる。


 降りた場所は、クロスロードから少し離れた人目に付かない森の中だ。


「この森も久しぶりだねぇ、私がこの世界に初めて着た場所だし、なんか感慨深いよ。」


「私とリーリィが初めてハバネと会った場所でもあるんだよねぇ。」


「運命の出会い、あの時、私たちの未来、変わった!」


「なんか3人だけの世界作って疎外感なのです。それより早く街に行くのです。」


 盛り上がる私たちを見て呆れ顔のミリアに急かされて私たちは街を目指して歩き始める。


 クロスロードへ戻った私たちは、お久しぶりの門番さんに挨拶して街に入ると、まず当面の拠点とするために以前利用した宿屋へ向かった。


 懐かしの『草原の子羊亭』の食堂で気さくに挨拶する私に、驚きを隠さず過剰なハグで迎え入れてくれる女将さん。


 再会に感激してはくれているみたいだけど、それ以上に新たなる新メニューを欲しているらしい。


 その以前にもまして威力を増した好奇心圧力にビビって腰が引ける私。


 そして当然、ハンターギルドへも顔を出す。


「どーもぉ、おひさぁー!」と能天気に挨拶してみる。


「あ、れ・・・、ハ、ハバネさん、今までどこに・・・。」


 私たちを見て、驚きのあまり口をパクパクする受付のナタリアさん。


 急いでアオを向かわせると、表情を崩して以前のようにアオを抱きしめて撫でまくる。


 騒めき出したホールの騒がしさに様子を見に来たギルマスとサブマスが目に入る。


「どうもぉ、また戻ってきちゃいましたぁ。」


 さっきと同じようにお気軽な挨拶をしてみた。


 ナタリアさんと同じように驚いた表情を見せるが、すぐに真顔に戻りズカズカと私たちのもとに歩いてくると。


「ちょっとこっちへ来い!」


 と言って拾われた猫みたいに私の襟首を掴むとギルマスの部屋へ連れて行かれた。


 ルミーナたちは苦笑いしながら付いてくる。


 ギルマスの部屋にある応接セットのソファーに座るギルマスたちの向かい側に並んで座る私たち。


「お前ら、なんでこんなに早く戻ってきたんだ?!

 分かってるのか、今どんな状況かを。」


 呆れたような声で、私たちを嗜めるギルマス。


「そうですよ。今クロスロードには噂を辿って貴方達を探している貴族や大商家、その他諸々の手の者が何人も入り込んでいるのですよ。」


 そう言ってサブマスが情報を補填してくれる。


「うーーん、それはもう良いかなっていうか、もう開き直ることにしたんだよね。

 なんだかんだ言って、この街のこと気に入ってたし、ルミーナたちにとっては故郷だしね。」


「だが、お前たちのことが知られたら、それこそこの街にいられなくなるぞ!」


「それなんだけど、私たちもそれなりに力をつけてきたからさ、大抵のことはなんとかなると思うし

 いざとなったら、絶対誰もたどり着けない拠点も手に入れたんだよね。

 だから、どうしようもなくなったらすぐそこに籠もってしまえば良いかなぁと思ってる。」


「誰もたどり着けない居ってんていってもなぁ・・・」


「大丈夫、大丈夫! あそこにたどり着けるのなんて私たち以外だと古龍(エンシェントドラゴン)ぐらいだから。」


 この世界での古龍(エンシェントドラゴン)は、人語を介し超絶の魔法を操り神に迫る戦闘力を誇ると言われる絶対的な存在だ。


 つまり、古龍(エンシェントドラゴン)にしか出来ないとは、誰にもできないと言う比喩表現でもある。

だが、ここで私が言ったことは本当に古龍(エンシェントドラゴン)ぐらいしかたどり着けないと思ってなんだけどね。


「でも、一番の理由は親しい人たちに隠し事しながら生活するのが煩わしいかったからなんだよね。

 だから、これからは色々隠さないつもりだから、何かあったらよろしくお願いしますね、ギルドマスター。」


「そいつは何かあっても自力でねじ伏せられるって言うことかよぉ?!」


 右手で頭を掻きむしりながら、呻くように声を絞り出しギルマス。


 そしてギロリと鋭い目つきで私たちを一人ずつ凝視していったかと思うと、大きなため息をつく。


「はぁーーーっ、この短い間に何があったか知らんが、揃いも揃って化け物みたいに腕を上げているみたいだな。」


「へぇーー、見ただけでそんなことが分かっちゃうんだ、さっすがはギルマス。」


「ぬかせ! まあ分かった。

 何かあったらできる範囲で助けてやるが、あんまり当てにするなよ!」


「うん分かってるって。 出来るだけ自分たちで何とかするから。」


「「「「うんうん。」」」」


 みんなも、私に同意する意思表示を示す。


「分かった分かった、もう好きなようにしろ。

 だがあっまり騒ぎを起こすんじゃないぞぉ。」


「はーーーい、善処しまーす!」


 頭を抱えるギルマスと慰めるようにギルマスの肩をたたくサブマスを残して私たちはギルドを後にする。


「そう言えばさぁ、ミリア。

 前にミリアが用意してくれたお屋敷って今どうなってるの? もう手放しちゃった?」


「いいえ、ハバネさんの名義のままの残してあるのです。一応最低限の管理はしてくれているはずなのですよ。」


「じゃあ、またそこを地上での拠点として使えるってことだね。」


「ただ、旅立つときに家財を全部片づけてしまったので、また住めるようにするのは少し手を入れる必要があるのです。」


「そうなんだ。でもまあ、お屋敷が使えるまで女将さんの宿屋でのんびりしますか。

 どうせ、しばらくは女将さんの相手をしないとダメだろうしね。」


「ハバネお姉ちゃん、また新しいお菓子作るののぉ?」


「おおぅ、今度はどんなお菓子作るんだぁ?なんかワクワクするぞぉ。」


「(プヨプヨ)」


 そうそう、ラズリやフィーリアたちも女将さんに負けず劣らずお菓子好きなんだよね。


「はいはい、それじゃ市場に行ってお菓子の材料とか仕込みにいこっか。

 きっと女将さんも首を長くして待ってるだろうしね。

 女将さんに新しいお菓子や料理を教えながら拠点の準備ができるのをのんびり待ちますかね。」


 そういって、どのお菓子を作ろうかと考えながらみんなで市場に向かって歩いていく。



読んでいただきありがとうございます。


これからも応援してもらえるとありがたいです。

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