表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/102

#83 浮島施設巡りツアー、その5

 その後、私たちは魔生物研究所、錬金工房といった施設を順番に訪れて行った。


 当然そこにも管理者がいるのだが、あの大賢者の作ったお人形たちだし、たぶんその()たちもかなり癖が強いんだろうなぁ。


 そして到着したのは、上空からもひと際目立っていたガラスで覆われた大きな温室だった。


「わぁーぁ、キラキラのお城だぁ!」と喜びの声を上げるラズリ。


 とは言っても魔物を研究する施設らしいからタダの硝子(ガラス)ってことはないだろうけどね。


 中に入ってみたけど、この魔生物研究所には今動き回るような魔物は居ないようでただの植物園にしか思えなかったが、あとで回った資料室のような場所には剥製や標本など興味深いものがたくさんあった。


「静かだけどなんかココ、気味悪いね。」とルミーナ。


「お姉ちゃん、なんかここ恐いよぉ。」と怯えるラズリ。


「(プルプル)」、いつものように何も考えてなさそうなアオ。


 ここには、環境さえ整っていればいつまでも生き続けられる植物系の魔物だけしか居ないらしい。


 まあ長い時間が過ぎているんだから、動物系魔物の寿命はとうに尽きているのだろう。


 そういいう寿命に左右されない植物系魔物しか生き残れなかったみたいだね。


 そしてさらにメンテナが付け加えた情報では、ここの植物のほとんどは生き物を襲って食べる凶悪な肉食型の魔物なのだそうだ。


 どうやら獲物を捕食できなくても光合成で最低限命を繋ぐことが出来るらしい。


 なんにしても、危険な雰囲気が満ちていた理由がこれで分かった。


 そして施設の最奥、メイン研究室ともいうべき場所にいました、施設の管理者。


 やはり人化はしていなかったが、自動人形のお姉ちゃんズに興味津々のラズリのおねだりに負けて人化した姿は田舎の牧場にいそうなロリっ子元気娘だった。


「アレはココ、魔生物研究所の管理を任されているエルーザです。」


「ボクはエルーサ、よろしく。そしてぇーーー、なになにその子ぉ? 

 スライムなのぉ? もっとよく見せてよぉ、いや触らせてください、いっそ解剖させてくださいぃぃーっ!」


「「「「「えええーーーーっ!!!!」」」」」


 先ほどのアテルサと同様に、ここの管理人もなかなか癖が強いキャラみたい。


 出会って即効、この管理人はアオに興味を抱いて、解剖させろと暴走してひと騒ぎを起こすのである。


「ちょっとぉ、待ちなさいよぉ! ボクに観察させなさぁーい! そして解剖されなさーい!! だいじょーぶ、痛くしないからぁ。」


 元気良くアオを追い掛け回すチビッ子管理者、そしてそれを余裕でかわして飄々と逃げ回るアオ。


そしてそんな二人に対して獲物を狩るべくちょっかいを出してくる肉食植物たち。


「アーオォ、がんばれーぇ!、負けるなぁ!!」


 楽しそうに応援するラズリ、開いた口が塞がらない私たち、笑いとばすウーリアとアテルサ、普段通り冷静なメンテナ。


 執拗に追い掛け回すエルーザや魔物をひらりひらりのらりくらりと躱し続けるアオ、結局エルーサが力尽きるまで逃げ続けるのだった。


 のびて目を回したエルーサはウーリアに担がれ、この施設の説明の殆どをメンテナが済ませると私たちはこの場を後にした。


 次に訪れたのは錬金工房、錬金術や魔道具の開発を行っていた工房だ。


「へぇー、錬金術って言うから魔訶不識な場所かと思ったら、普通の鍜治場みたいだな。」


「錬金術は、仕組みや、素材、部品造りが、本領。

 作業の、ほとんどは、鍛冶師と、変わらない。」


 リーリィがいうように内部は雑然としていて、なんだかよく分からない機械や完成か未完成かもわからないもの、そんなガラクタとも言えそうなものがあちこちのゴロゴロしている場所だった。


 だが、カオスと称しても良さそうな有様に目を輝かせる変人が一人いた、ミリアである。


「錬金術? 魔道具の開発? なんですかぁ、もしかしてここは楽園ですかぁ?!」


 そしてやはりココにいたよ、そしてすでに人化している管理者が。


 金髪ロングの髪を乱暴に三つ編みして、着古したツナギを着込み小さな眼鏡を鼻に乗せた生意気そうな女の子がそこにいた。


 が、私たちを見て、いや、私たちの周りを飛んでいるドローンを見て、すごい勢いで食いついてきた。


「それがドローンですね? ドローンなんですね。 見せてください、いや触らせてください、分解させてくださいぃぃーっ!」


「「「「「やっぱり、コイツもかぁーーっ!!!!」」」」」


 既視感(デジャブ)である。


 どいつもこいつも、賢者の研究施設管理者ってヤツは、こんな癖の強いのばっかりみたいだ。


「アレはココ、錬金工房の管理を任されているアールケです。」


 あーー、メンテナさん、相変わらずの平常運転ですね。


 エルーサと同様に何百年という放置で、知らない魔道具、新しい技術に飢えているらしいアールケも、それが爆発したようだ。


 そして、本能でその熱意に感化されたというか、同類を見つけたというか、エルーサとミリアが接触して激しい反応が起こったようだ。


 ミリアはペネトレーを呼び出して実演しては、あーでもないこーでもないと盛り上がっている。


 ときどき私を見ては、怪しい視線に背筋が寒くなる、会わせるべきではなかったかもしれないと思った。


 そして確信する、ああー、ミリアがココに入り浸るのは確定みたいだなぁと。


 そして最後だという施設、魔工研究所にやってきたのだった。


読んでいただきありがとうございます。


これからも応援してもらえるとありがたいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ