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#79 浮島施設巡りツアー、その1

 ひょんなことから浮島を手に入れてしまった私たちは、ここを妖精の翅(シルフィーフェザー)の拠点とすることにした。


 となれば、ここを活用するためにもどんなモノがあってナニができるのかちゃんと把握しておく必要があるよね。


「ここに来るときに空から見た感じだと、いくつか目立つ建物とかあったよね。

 あれが何の建物なのか、ちゃんと見ておいたほうが良いよね。」


 確かにルミーナが言うような、いかにも何かの施設みたいな建物がいくつかあったなぁ。


 まず間違いなく、賢者様がなにかの研究をするために作った施設だろうね。


「私は私はキラキラしてた、あの水晶のお城みたいなところに行ってみたい!」


 ラズリが言っているのは、たぶん巨大な温室のことだろう。


 この世界にもガラスの巨大温室なんてあったんだねぇ、そういえば巨大温室の植物園なんて施設が前世の地元にもあったっけ。


 きっと、普通でない植物とかを色々育てているのかもしれない。


「高い塀に囲まれた森のような場所もあったのです。

 アレって何か生き物を閉じ込める施設のように見えるのです。

 大賢者様が作ったと考えると、もしかして凶暴な魔物とか研究していたかもなのですよ。」


 こんなところに引きこもって研究に明け暮れていたようだから、そんなことにも手を出していそう。


「あの箱を、たくさん、組み合わせたような建物、気になる。

 地味な割に、丈夫そう、きっと何か、意味があると思う。」


 リーリィの言う施設は、多分研究施設か何かだと思う。


 私の前世の記憶にある典型的な研究施設によく似てる気がするんだよねぇ。


 うん、そうやって思い出してみると確かにナニかありそうな施設だらけだった気がする。


「ねえ、メンテナ。

 みんなが言うように、あちこちの施設を見て回りたいんだけで、なにか問題ある?」


「マスターハバネ、何も問題はございません。

 この地にある全ては、すでに皆様のものでございます。

 望むまま、お好きなように為さって頂いて構いません。」


「そっか、うん、ありがと。

 それじゃあ、浮島探索ツアーにみんなで出かけますか。」


「「「「おおーっ!」」」


 私の号令にノリノリで乗っかる皆とともに屋敷を出る。


「それじゃあメンテナ、案内をお願いね。

 それと施設についての説明も任せて大丈夫?」


「はい、お任せください。

 それに、主な施設にはかつての主の助手を務めていた私の姉妹たちが施設の管理をしております。

 その者たちであれば、私より詳しい説明ができるでしょう。」


「えっ?! そうなの?

 メンテナの姉妹ってことは、同型の自動人形ってことなのかな?」


「基本部分はほぼ同じですが、それぞれかつての主の研究をサポートするために特化した設計になっています。

 ちなみに私は、飛行機能を含む万能型として作られました。」


 それにしても助手まで自分で作ってしまうなんて、どこまで時代の先に進んでいたんだろう。


 これだけの知識を、平和な方面で生かされていれば、文明レベルを100年は早めてたんじゃないかと思う。


 前世の世界を知る身としては、もったいないと思わざるを得ないよなぁ。


「ところでマスターハバネ、私の容姿をどう思われますか?」


 そう聞いてきたメンテナ、その見た目は以前にも思った通り、等身大のデッサン人形そのものだ。


 マネキンのような無機質の手足が球体関節で繋がっていて、その頭部も凹凸のないのっぺりとしたものである。


 そして今は見えないが、背中には天使を思わせる飛行用の翼が収納されているはず。


 人とはかけ離れた容姿であるが、人としての行動には何の遜色もないはず。


「この浮島で活動するのなら、今の姿でも何も問題ないと思うよ。

 私たちも特に忌避感とか感じてないし、ラズリなんか結構気に入ってるみたいだよ。」


「うん、ツルツルピカピカで綺麗だし、私メンテナちゃん大好き!」 


「ありがとうございます、ラズリ様。

 ですが、マスターハバネは今後、地上で活動するのでしたらわたくしがお供することもあると思います。

 その際にこの姿は目立ちすぎると考えられますので、ご許可をいただければ容姿の調整を行いたいと思います。」


「えっ?! メンテナって人の姿に変身できるのぉ??」


「はい、かつての主に申し付かって素材の回収や買い付けのため人の中に出向く必要がありましたので、そのような能力を授けられておりました。

 それではしばしの間、失礼いたします。」


 そういうと私たちから距離をとるように離れたメンテナの足元から円柱状の光の柱が伸びる。


 そして光る板状のものが全身を包むように取り囲みながら明滅を繰り返していく様は、3Dゲーム初期の低ポリゴンキャラみたいだ。


 やがて全身が完全に光に包まれたかと思うと、次の瞬間爆散したかのように光がはじけ飛んで消える。


 そこに立っていたのは、肩口ですっきり切り揃えれた、まるで出来る秘書のような知的な女性だった。


 スレンダーなリクルートスーツと軽装の革防具を組み合わせたような物を着込んだ冒険者って感じかな。


 うん、大賢者の筆頭助手をやっていたのは伊達じゃないみたいだね。


「うわぁぁーー、お姉ちゃんキレイでカッコいい!」


「人と同等の自動人形というだけでも驚愕ものなのです。

 なのに、さらに変身して人ソックリになれるなんて、神話級の遺物なのです!?!」


 さすが魔法のある異世界、まさにファンタジー。もう何でもアリだね。


「如何でしょうか?

 この姿が一番活用していたスタイルで最も馴染んでいるとも言えます。

 私が地上で活動していた時からかなり時がたっておりますが、この姿は今でも通用しそうでしょうか?」


 うん、海外の一流モデルも真っ青ってレベルのハイクオリティ、大賢者様に超面食い疑惑が沸いたよ。

 

「あ、うん、全然大丈夫だよ。・・・いや、美人過ぎて騒ぎになるかも。

 ああー、たぶん大丈夫だと思うから、メンテナはその姿でお願いね。」


「わかりました、マスターハバネ。

 今後は、この姿でお仕えさせていただきます。」


「それじゃあ、ここの施設巡りを再開しようか。

 ねえメンテナ、ここから一番近いのは何の施設なの?」


 気を取り直して、今回の目的である浮島の主要施設巡りを舵を戻す。


「ここから一番近い施設は、『闘技場』、戦技研究施設です。

 私の姉妹であるウーリアが管理しております。」


 こうして、メンテナの妹機にあたる「ウーリア」という自動人形がいるという闘技場を目指すこととなった。


読んでいただきありがとうございます。


これからも応援してもらえるとありがたいです。

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