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#71 その名はスクランダー?!

遅ればせながら、おめでとうございます。

更新を再開させていただきます。

と言っても、いつ途切れてしまうかという綱渡りですが・・・

とにかく今年も頑張っていこうと思いますので、よろしくお願いします。

 宿に戻った私たちは、その夜遅くまで浮島攻略の対策を検討した。


「今言ったように、浮島へ行く手段は準備できてるんで、あとはその方法を確実にするのが当面の目標かな。」


「うん分かったよ。それに関してはハバネを信じてる。」


「場所と時間は、老人の情報で、ほぼ確定済み。

 あとは、ハバネのドローンを、使いこなすだけ。」


「やるのです! ハバネの新しいドローン、絶対使いこなしてみせますのです。」


 みんなのすごい意気込みが語るように、すでに新しいドローンは完成しているんだよね。


 現在の課題は、そのドローンを乗りこなし、浮島に仕掛けられた罠を突破することだ。


 そのための訓練がこれからの日課となった。


 と言うわけで目下、ホバーを飛ばして人の殆どこない渓谷へ向かい、そこで新ドローンでの飛行訓練をしている。


 ちなみに今回作った飛行用ドローン『スクランダー』、背中に背負う形の飛行用ユニットだ。


 その装着状態の見た目から、安直だけど前世のお父さんの秘蔵ライブラリーにあった往年の元祖ロボットアニメから名前をいただきました、えへっ。


 ランドセルのように背中に背負った本体を両肩と腰にアームとベルトで固定する形で装着する。


 その本体の両側から水平のアームが伸び、その先がさらに2股に別れた先端にローターが付いている。


 通常は大きなドローンをそのまま背負った形で4つのローターは地面に対して垂直になっているんだけど、本体部分とつながるアームは回転する構造になっていて直立した装着者に対して90°、つまり地面に対して平行な状態にもなる可動式になってるんだよね。


 だから、この水平状態でふわりと垂直に上昇してからローターの向きを変えて高速で前進したり後進することができるわけ。


 最初は浮き袋みたいに基本のドローンの中央にすぽっと人が収まる形を考えたんだけど、飛んでないときに自分の前方にローターがあるって邪魔かなって思って可変式にしてみたんだけど、飛行姿勢の自由度が上がって性能アップにもなったのはラッキーだったかな。


 基本的にラズリを除いてみんな同型のスクランダーを使用するんだけど、ラズリだけは戦闘力に不安があるんで特殊な機体になっている。


 どう違うかというと、ラズリ用はアオドローンの拡張ユニットになっていて、アオドローンが本体に合体しているのだ。


 つまり、ラズリのスクランダーをアオが操縦するっていうことなんだよね。


 浮島への接近時、何が起きるかわからない、最悪戦闘状態になるかも知れない、そんな状況でのラズリの操縦には流石に不安しかない。


 ということで、普段からドローンを文字通り手足のように扱っているアオの出番とあいなったわけ。


 こうして操縦をアオに任せておけば、ラズリ自身は防御や戦闘に専念できるから私たちも少しは安心できる。


 飛行手段としてのドローンをお披露目した後は当然、ドローンを自在に扱うための訓練をしなければならない。


 そんなわけで、人がまず訪れないであろう渓谷での訓練合宿が始まった。


 いやー、みんなの初飛行は、なんというかかなりひどい状態だったなぁ。


 高層ビルや飛行機が当たり前の3次元思考ができる元日本人の私と違って、基本2次元思考の現地人であるルミーナたちには飛行するという概念がない。


 ルミーナは、高所に慣れていないのにいきなり高空に飛び上がり、パニックに陥ってしまい、私がスクランダーのコントロールを掌握して回収することになった。


 リーリィは、いきなりトップスピードですっ飛んでいったかと思うと暴走状態で目を回し、制御不能に陥いりドローンが安全機能で停止するまで無意味に飛び回っていた。


 ミリアに至っては、初動が巧く行ったかと思った途端、感極まりこちらの静止を振り切ってどっかに飛んでいってしまった。


 サテラとピープの探査能力をフル活用してやっとの思いで探し出しなんとか連れ戻すことができた。


 そんなみんなの暴走に四苦八苦している私をよそに、練習の必要がないフィーリアにアオ、ラズリたちは、優雅に空の散歩を楽しんできたようだ。


 特にアオと仲の良いラズリは、アオの操縦を信頼しているようで満面の笑みで空の散歩を楽しんでいるみたいだ。

 

 そんな散々な初飛行を経て練習を重ねて行くことで、速度や高度、立体的な挙動に少しずつ慣れていき、見ていても全く不安を感じないほど安定した飛行ができるようになっていく。


 今ではおいかけっこしたり、複雑に入り組んだ狭い渓谷を高速で通り抜る競争をしたり、仲間同士で空中模擬戦をしたり、最終的には飛行型の大型魔物とガチンコ勝負ができる程度まで飛行レベルを上げていった。


 物資、作戦、移動手段とすべての準備もそろそろ揃ったかなと判断して、私は浮島へのチャレンジを決断した。


 まずすべきは、どこで浮島を待ち受けるかだけど、体験談を聞かせてくれたお爺さんから重要なヒントを貰ってるんだよね。


 そのヒントも元に浮島との接触が最も高そうな場所にベースキャンプを設営して、発見のための条件が揃う瞬間を待つことにしたのだ。


 空を見つめて条件が揃うのを待つことおよそ10日あまり、ついにお爺ちゃんに教えられたすべての条件をクリアする時が来た。


 ちなみにその条件というのは・・・


 ・過去の記録から推定される周回コースであること

 ・周期予測からこの場所を通る時期であること

 ・秋から冬に変わるこの時期であること

 ・日の出から2~3時間後であること

 ・雲ひとつない晴天であること

 ・湿度の低い乾燥した日であること

 ・風の全く吹かない無風であること。


 リーリィとの議論を重ねて導き出した推論は、浮島を照らす光線の強さや波長などの他、光の進み方に影響を与えるものなどの条件が複雑に絡むことで、浮島を隠す隠蔽の魔法に一時歪みを起こしその効果を弱めるのではないかと言うものだった。


 まあ、それを証明することも、する気もまったくないけどね。


 私たちが訪れたこの時期は、運良く条件の時期と季節をクリアしていたので、あとはお爺ちゃんから教えられた残りの条件が揃うのをただひたすら待つだけだった。


 そして今日この時、無風の晴天であり、空には雲ひとつない青空が広がっていた。


 気温も湿度も条件どおり。


 教えられた時間が迫り、私たちはそれぞれの方向を向いて一番に見つけようと空を凝視する。


 だけど、未だどこにも浮島は見つからない。


 ダメ元で、サテラやピープで探査してるけど、今のところ何も引っかからない。


 それでも時間いっぱいまで諦めないぞと、空を探す私たち・・・、するとラズリが声を上げる。


「ハバネお姉ちゃん、あれっ! あそこに何か浮いてる!!」


 一斉にラズリが指をさす方向に目を凝らす。


 しかめる私の目に、薄っすらと浮かび上がってくる小さな物体が飛び込んできた。


読んでいただきありがとうございます。


これからも応援してもらえるとありがたいです。

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