#68 目指すは謎の浮島
「今度の目標は浮島に決定なのですね。
実を言うと、私もすっごく気になってたのですよ。
なので出発までにできるだけ商会お抱えの行商人たちに聞き込みしておくのです。」
「ん、私も、図書館で、浮島関連の情報、探してみる。」
「うん、情報は多いほうが良いし、そっちはお願いね。
で、ルミーナとフィーリアにはあっちの件を頼みたいんだけど。」
自主的に動いてくれるミリアとリーリィにはそのまま動いてもらうことにして、急遽出発に間に合わせることになった案件をルミーナたちにお願いすることにした。
「例のヤツの最終確認をしてOKなら、私たちに必要な数を揃えれば良いんだよね?
うん、まかせて。」
「アレか?、アレのことだよな。
おう、しっかり出来を確認してやるから、安心してくれよな!」
今後のことを考えてあれば良いなぁと思ってものだけど、例の博物館で都合の良い魔道具を見つけたんで本格的に開発することにしたモノ。
試作品を見てその潜在的価値を感じ取った商会の全面的協力の元、開発は進んでいたんだけど、私たちの出発を見据えてスケジュールを前倒ししてもらったんだよねぇ。
「じゃあ、そっちはルミーナたちに頑張ってもらうとして、私は浮島用のドローンを頑張って開発しますか。
ラズリも手伝ってよね。」
「うん、私も頑張ってアオちゃんと一緒に、ハバネお姉ちゃんのお手伝いする。」
次の目的地が決まった私たちは、全員で総力を上げて浮島行きの準備を進めていく。
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ミリアやリーリィの頑張りもあって、いくつか貴重な情報も集まってきた。
その中でも特に重要な情報が『浮島にある程度近づくと魔法が使えなくなるらしい』というものだ。
「唯一の飛行手段である浮遊系の魔道具を使ったり、騎獣系の従魔の乗ったりして浮島を目指した者達がいたそうですが、ある程度近づくと何故だか魔法による効果が消えてしまったそうなのです。
大型の飛行系の魔物も魔法の力を使っていますので同じように飛べなくなったようなのです。
ただ、普通の鳥は何事もなく浮島まで飛んでいけたそうですが、使役魔法によるリンクが切れてしまい何の情報も得られなかったと言われているのです。」
この世界に飛行機は存在しない、なので飛行するのに魔法の力に頼っている者は当然その手段を奪われることになる。
飛行系の魔物の場合も、中小型の鳥類を除き純粋に翼の力で飛行するものは少ない。
竜種をはじめ、大型の飛行する魔物は大抵魔法の力を使っているのだ。
つまりは人を乗せられるような大型飛行タイプの魔物も浮島には近づけないことになるわけだ。
普通の鳥を使って調査しようとしても、使役によるリンクが消えてしまうのでたどり着けても情報は得られないようだ。
ということで、私たちが浮島まで辿り着くには、魔法ではない方法で空を飛んで行く必要が出て来たのだ。
ちなみにドローンの飛行は、魔力を使っているが飛行そのものや、私とドローンとのリンクは魔法の効果ではないらしいので浮島へ行くことは可能だという。
これはピープを通して視た魔力の流れで、はっきり確認できたとリーリィが保証してくれている。
だから浮島まで飛んで行くことはできるけど、ルミーナのシフティや私のクロノを使った転移系魔法は使えないということでもあるんだけどね。
なので、現状私たちには浮島に行く手段はないと言うことになるわけで、急遽私たちを浮島まで運べるドローンが必要になったということでもあるんだよね。
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その後も順調に、ミリアの商会の協力も得て新たなる旅立ちの準備は進んでいる。
リーリィにはさらなる浮島の情報を、ルミーナたちにはミリアとともに必要な物資を集めてもらっている。
そして私は、浮島へ行くための新たなるドローンづくりを満喫していた。
求めるコンセプト「人を飛行能力のみで空へ運べるドローン」の開発が目下の目標となっている。
現時点のスキルレベルなら人の重量、それも少女の体重を抱えた自在に空を飛ぶドローンを創造することは可能なはずだ。
あとは、どのような形態が人の飛行にふさわしいかと言うことで、そのイメージ作りに頭をフル回転している。
数日の時を費やし、リーリィは浮島との接触の可能性が高そうな場所を絞り込み、ルミーナたちの旅の準備を完了した。
私もなんとか満足の行くドローンを創造し終えたところで、なんとか出発に間に合った感じかな。
そのことを嗅ぎつけたミリアとラズリから激しい追求を受けるも、その時まで秘密ということにしておいた。
今見せたら間違いなく出発が遅れる・・・
そして出発の日、ストレイン商会の職員や職人、料理人など私たちと交流のあった人たちが勢ぞろいで見送りに来てくれた。
商会代表でミリアの父親のデルガーとも別れの挨拶と今後の協力と援助の確認をし、私たちはロジスティスを旅立った。
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これから目指す高原地域の村”モルノール”は、馬車主体の商隊が森林と山道を一週間ほどかかる距離にあるらしい。
乗用ドローンのホバーを使えば数日かからず辿り着けそうだけど、それはそれで味気ないのでいつもの様にふらふら寄り道しながらのんびり行くつもりである。
そんな旅程の途中、なんとなく立ち寄った村に思わぬ情報が待っていた。
そこに居たのは、かつて浮島を目指した冒険者パーティにいたという老人であった。
これは何か有力な情報が得られるかもと、私たちはその老人の家を訪ねることにしたのだった。
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