表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/102

#56 これがドローン?!?


 クロスロードを出た私たちはしばらく街道を徒歩で進んでいた。


「ハバネお姉ちゃん、お馬さんに乗らないの?

 遠くに行くときは、お馬さんに乗るんじゃないの?」


「ふふふ、良いところに気づいたね。 ラズリ。

 ハバネさんは、この日のためにとっておきを用意しちゃいました。

 だいぶ街を離れたし、そろそろ出しても良さそうだね。」


 しばらく歩き続けて周囲に人気が無くなったのを確認すると、私はみんなを近くの雑木林の中へ連れて行く。


 何も教えていないみんなは訝しげについて来るが、ラズリとアオは何かが起こると期待を膨らませてニコニコと楽しそうだ。


「ハバネお姉ちゃん、今度はどんなの作ったの?

 それって見ちゃダメって言ったてのだよね。」


「うん、そうだよ。

 すぐにラズリにも見せてあげるから、ちょっと待ててね。」


 街道を外れて数分、ちょうど良さそうな開けた場所を見つけた。


 サテラで周囲に人も魔物もいないことはちゃんと確認済み。


「うん、ここなら大丈夫そう。

 じゃあ、今出すからみんなはちょっと離れてて。」


 そう言うと広場の中央へこの日のために創造した新型のちょっと変わったドローンを呼び出した。


 現れたのはドローンコストを8つも使ってしまったこれまでなかった大型のドローンだ。


 ただ、今まで私が作ってきたドローンと比べると少々変わったシルエットをしている。


 本体部分がボックス型軽自動車ぐらいのサイズで、その中央本体から四方にプロペラがあるのは、従来のドローンと同じだが、そのプロペラにはゴム製のスカートが付いたりする。


 本体部分は内部に大人4~5人が、乗れる座席が設置されていて、それを覆うようにプラ樹脂製の幌が覆っている。


 ちなみに私が創造時にイメージしたのはオープンカーの開閉式の屋根だったりするんだよね。


 そう、私が造ったのはみんなが乗れる移動用のドローンだったのだ。


 無人のままドローンを起動させると、プロペラがスカートを膨らませてドローンが浮かび上がったのだが・・・、数十センチ浮かんだだけでそれ以上飛び上がることはなかった。


 だって、これはホバークラフト型のドローンなのだから、最初から飛べないんだよ、てへっ。


 ほんとは普通にみんなを乗せて飛べるドローンを造ろうとしたんだけど、創造レベルが足りないのか、どう頑張ってもうまく行かなかった。


 それでも往生際悪く、あれこれ方法を模索して行き着いた先がこのホバークラフトだったわけ。


 でもまあ、これはこれでなかなかに優れものだと思う。


 将来的に遠征用のサスペンション付き馬車の開発が必要かなとか考えていたんだけど、ホバー型ならそれ自体がエアサスペンションみたいなものなので、乗り心地は悪くないはず。


 馬車を作るはずが一足飛びにホバークラフトにたどり着いたというわけなのだ。


 とりあえず重しを使ってみんなが乗っても大丈夫なことは試運転でテスト済みだし、これに乗ってサクッと旅立ちますかねぇ。


 見たことのない大きなドローンが動いているのを見てラズリは目を輝かせて興奮している。その横でアオも触手を使って妙な踊りを踊っている。多分こっちも喜んでいるんだと思う。


「えーーと、これはみんなの移動用に作ったドローン”ホバー”だよ。

 ただ、空を飛ぶにはパワーが足りなかったんで、地上を走り回る乗り物になちゃったんだけどね。」


 ルミーナとリーリィ、それにアオはその場で興味深そうにホバーを眺めていたけど、ラズリとフィーリアはそれはもう目を輝かせて色んな角度からドローンを見ようと周囲をグルグル回っている。


 だが、一番ホバーに食いついたのはミリアだった。


 まあ当然といえば当然かなぁ。


 そんなこんなで、熱が冷めてミリアが落ち着くのにたっぷり一時間かかった。


「さあ、乗った乗った! そしたらウエスタリアに向かった出発だよ。」


「「「おおーっ!!(プヨプヨ)」」」


 元気よく返事をしたのは、ラズリとアオとミリアだ。


 ルミーナたちはただただ苦笑いしてたけど。


--------------------------------------------------------------------


 みんなを乗せての初飛行・・・というか初走行?は、特に問題も無くすこぶる快調だ。


 未舗装な街道や草原も、まるでアスファルト道路を走っているような快適さだし、多少の荒れ地や岩場も安々踏破できてた。


 極めつけは、川や湖のような水面も滑るように走って見せたときには、みんな目を丸くして驚いてたなぁ。


 だけど、このときも興奮したミリアを落ち着かせるのにまたまた一苦労してしまったけどね、ははは。


 まあ慣らし運転でもあるんで、それなりの速度を出していたけど、それでも全速というわけには行かず普通の馬車の2倍程度の速度に抑えている。


 なので、次の街までひとっ飛び!というわけにも行かず、道中の野営は避けて通れないわけで、当然その準備というか、アイテムもいくつか用意してきたんだよね。


 トイレに関しては、少し前から使ってる認識阻害と転送の魔法を付与したトイレ用ぷちドローン”ブーケ”があるから問題なし。


 見た目は頭上にプチドローンが浮いている簡易テントで、中に便器が設置された前世のレジャー用簡易トイレみたいな感じだけど、認識阻害を発動すると視覚、聴覚、嗅覚、気配などが第三者には全く認識できくなるため、安心して用が足せるというスグレモノ。


 ちなみに便器は洗浄機能付きで、汚物も転送魔法で自宅の汚水処理施設に送っているから清潔で衛生的でもあるんだよ。


 というわけで、女性ハンターの深刻で永遠の悩みは、最優先でサクッと解決しておりますです。


 そしてもう一つの目玉が、認識阻害に異空間収納を付与したドローン”キャンパー”。


 異空間に収納してあるのは、設営にも撤収にも手がかかる大型テントなんだけど、それを設置状態のままで入れてあったりする。


 広々としたテント内には、簡易キッチン的な魔道具や寝心地の良いベッドが人数分配置してあってかなり快適に野営できるんだよねえ。


 その上、強力な認識阻害を掛けるドローンが上空に常駐するのだから、見張り無しで熟睡もOKなのだ。


トイレ”ブーケ”はすでに使ってるんでみんな知ってたけど、こっちのテントは今回が初お披露目。


 さーて、みんな喜んでくれるかな?


読んでいただきありがとうございます。


これからも応援してもらえるとありがたいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ