#54 なんかまわりが騒がしい?
捕まえた王子一行は私たちとの戦闘で色々ナニかが折れまくった様で、特に抵抗する様子もなくギルドの職員に連行されて行ったとさ。
そんでもって、私たちは一度ギルドに出向いて詳細の説明を一度しただけで解放された。
まあ、面倒ごとはギルドに丸投げ…、いや全部お任せしておけば大丈夫でしょう、うん。
ゴーレムコアの方もミリアに任せてうまく元の持ち主に返還される手はずになっている。
ただ一つ面倒だったことがあった、それは新しいドローン、マルチへのミリアの食いつきが激しかったこと。
結局しつこさに負けて町外れの人目のないいつもの広場で、いろんなフォメーションを実演させられたり、魔法や攻撃を試させられたりとまる丸一日付き合わされた。
その後はまたいつもの生活に戻り、依頼をこなしながら変わらぬ日常が過ぎていく。
そうして数日が過ぎて、ミリアに商会からの連絡が入ったみたい。
ゴーレムコアは無事に相手の王家に返還が完了したとのこと。
秘蔵っ子のゴーレムを倒したという事実に何か困った反応があるかと身構えていたけど、そんなことはなく王族も感謝の意を示し好意的な様子だったというのでまあまあ一安心かな。
しかし、そう報告してきたミリアはなぜか真剣な表情となり、今後に深刻な懸念があると言ってきた。
事情を知った一部王国貴族の中に、良からぬことを目論む連中がいて、なにやら変な動きを見せているらしい。
まあ、王国の最終兵器とも言えるゴーレムを苦もなく倒せる存在がいると知ったらそりゃ興味を引くだろうね。
で、どうにかしてその戦力を取り込もうと考えていると言うのは、ラノベのテンプレっぽい展開となんだけど、こっちとしては迷惑でしかないんだよねぇ。
他にも情報を手に入れた貴族やら商人やら怪しい組織とかも同様の動きの兆候を見せているらしい。
現在、ミリアの指示で商会がいろいろと偽情報を流してわざと混乱するように誘導し、勝手に真実を誤認させて私たちを特定し辛くする工作をしてくれている。
そうした状況を作り出した上でミリアが提案した対応策というのが、「武者修行の旅に出る」というものだった。
いわく、ある程度力をつけたハンターが、更に様々な経験を積むため修行の旅に出るというのはよくあることなのだそうだ。
ミリアが言うには、敵の目を躱すために、ほとぼりが冷めるまでしばらく一箇所に留まらないほうが良いだろうというのがこの提案の理由らしい。
誰かに命令されて意に沿わないことを強制させられるなんて死んでも嫌だという私に皆も同意してくれたようで、ミリアの提案にも一同賛成してくれた。
ということで、街を離れることに決めた私たちはそのことをギルドマスターであるガリーさんに伝えておこうと思う。
さすがに黙って姿を消すのは気が引けるしね。
ハンターギルドを訪れた私たちはギルマスに面会を求め、部屋に案内された。
そしてゴーレムの一件で色々目をつけられてしまい、貴族やら大商会やら厄介な連中が押しかけてきそうな情報をミリアが掴んだことをギルマスに伝える。
「あーー、確かに少数のパーティが、伝説級の魔導遺物に対抗できたなんて情報掴めば、興味を持つ連中がゾロゾロ出てきそうだよなぁ。
そうなると、街を出て姿をくらますのも悪い手じゃないだろう。」
苦虫を噛み潰した表情で唸るガリーさんだったがミリアの危惧が正しいだろうことを認めようで、ガリーさんも旅に出たほうが良いと考えているようだ。
「まあ、すぐにすぐに何か起こるとは思えんが、あまりノンビリし過ぎるのも不味いよな。」
そんな感じで今後の対応策を相談した結果、10日後を出発日に決めた私たちは、大急ぎで旅の準備を始める。
手分けして物の準備や知り合いへの挨拶を進めながら、残った日々を過ごしていく。
そして私も、役立ちそうなアイテムやドローンの開発を急ピッチで進める。
新しく獲得したドローン素材創造やドローンパーツ加工のスキルをフル活用して色々作りまくった。
前世の知識でビニールやステンレスパイプ、カーボン素材なんかを用意してテントっぽいものやキャンプグッズみたいなもの作ったり、強化されたドローン創造スキルでちょっとした大物ドローンを開発してみたりもした。
寝る間を惜しんでの突貫作業と町の知り合いからの手助けもあり、出発日までには諸々の準備が整ったんだよ。 うん、大変だった。
必要な荷物をドローン収納に詰め込んで身軽な旅装束で街の関門にやってきた私たち。
そこには町の顔見知りが集まっていた。
「とうとう出発か。道中色々あるかもしれんが、まあ頑張れ!」
「各地にギルド支部には裏で話を通してあります。
なにか困ったことがあれば支部のマスターに相談してみてください。」
とは、ギルマスのガリーさんとサブマスのオルトナさん。
モノづくりで色々お世話になった街の鍛冶師さんやスイーツ作りに協力してくれたパン屋さん、もちろん宿の女将さんにも送別の言葉をもらった。
そういえば、宿の女将さんにはまだ教えていない料理のレシピを脅迫めいた雰囲気でお願いされたので、紙に書いたレシピでもなんとか再現できそうなモノをいくつか渡しておいたっけ。お好み焼きとか、ハンバーグとかとか。
一応、お忍びの旅なので限られた知人にしか街を離れることは伝えていなかったのだが、その知人がみんな揃って見送ってくれて、ちょっと目頭がヤバくなったのは内緒だけどね。
みんなは馬車を使わないのかって不思議がっていたけど、私たちは歩いて街を離れるつもりなので、全員身一つの状態なんだよね。
「大丈夫なのか?」とちょっと心配されたけど、問題ないと笑顔で答えておいた。
実は、便利な乗り物をちゃんと準備してあるんだけど、あまり大ぴらに見せられないんで、モノは今ドローン収納の中にある。
ある程度、街を離れたら人目のないところでお披露目予定だったりする。
これ見たらパーティのみんなは驚くだろうなぁ。
こうして私たちはみんなに見送られて一路、西部地域「ウエスタリア商業小国郡」にあるミリアの実家「ストレイン商会」を目指してクロスロードの街を旅立った。
クロスロード編から、次はウエスタリア編へ・・・、
て言っても、すぐに他所へ行くかも。
ネタが続かなければ、すぐに新天地へ行きそう。
その場合は、放浪編ってことになるかもw
とにかく、読んでいただきありがとうございます。
これからも応援してもらえるとありがたいです。




