#39 森での拾い物、それは・・・
いつもの日常が戻ったクロスロードの街。
ヒュドラも倒され、もうハンターの活動エリアの制限もなくなっていた。
私たちもいつものようにギルドで依頼を受けては森へそれを熟しに出ていく日々を過ごしていた。
ただ、これまでと違って採集主体から魔物討伐に比重を移すようになっていたのは、ヒュドラの討伐によりルミーナたちがかなりレベルアップしていたからだ。
まあ、高レベルハンターが大物を倒すのと違って、まだ低いレベルの私たちだと必要経験値も少なくて済み、それゆえに上がるレベルも格別なのだ。
まあそんなわけで、ナタリアさんから許可をもらえて魔物の討伐依頼も受けるようになっていたのだ。
そして当然、私もレベルアップしていてドローン創造スキルにも色々新スキルなどが増えていて色々出来ることも広がってる。
とはいえ、色々試すにも時間が必要なわけで今は簡単な確認程度だけで保留の状態だったりする。
まあ、どうせやるならじっくり腰を据えてやりたいしね。
そんな感じで、パーティとしても経験値アップに邁進する妖精の翅なのである。
「今日の依頼目標はオークだったよね。
私たちが普通にハンターやってたら、ゴブリン相手に苦戦しててもおかしくない時期なのになぁ。
それが、もうオーク相手でも苦戦しないなんて、やっぱ色々おかしいよね、私たちって。」
「むうう、魔法の威力、抑えないと、すぐ、やり過ぎててしまう。
私の魔法も、かなりおかしい方向、に行ってる。
すべての原因は、ハバネ、間違いなし!」
「イイじゃんイイじゃん、確実に強くなってるんだろ。
ハバネと一緒にいると面白いし、オイラは楽しいぞ。」
私、フルボッコ?! もう、いいじゃんか、みんな強くなったんだからさ。
「みんなチャッカリ強くなってるのに、なんで文句言うのかなぁ~。
それより目当てのオークが見当たらないから、今日はもう少し奥に行ってみる?」
「そうだね、もう少しだけ奥に行ってみて、それでも見つからないときは別の森に行ってみよっか。」
「ん、この先、私たちも 初めて。」
「アタイも構わないけどさ・・・、
いいのか? アオのやつ、フラフラと森のほうに漂って行ってるぞ。」
「(よんでる・・・よんでる・・・)」
「ちょっと?! アオ、待ってよぉ!
今日は一体どうしちゃったの?!」
普段は付かず離れずと行った感じで、フラフラとあとに付いてくるだけで、自分から能動的に動くことは無かったアオが今日に限って自主的に動いている。
「もうアオってば! もしかして何か見つけたのかな?」
「ハバネ、とりあえず後を追おうよ。 そして何が起こってるか確かめなくちゃ!」
「それじゃあ、アオが向かった先をサテラで探ってみるから、リーリィもピープで魔力を探ってみてくれる?」
「うん、分かった。
とりあえず、探りながら、あとを追う。」
ワタワタと大騒ぎする私たちをサクッと無視して森の奥へとフラフラ飛んでいくアオ。
そのあとを追うように私たちも森の中を進んでいく。
・・・・・・
「ハバネ、何か、見つけた。
人のものとも、魔物のものとも、違う魔力? でもすごく小さい。」
リーリィが何かを見つけたらしいが、どうも微妙な反応みたい。
「なんであれ、多分生き物。でも、もしかしたら、死にそうかも。」
「それ、マズイじゃん。もし人だったら早く助けないとぉ?!」
話を聞いていたルミーナが慌ててアオの跡を追いかけていく。
私たちも送れないようにルミーナの跡を追いかける。
「おっ、アオが見つけたみたいだ。
同じ場所をくるくる回ってる。 あんなアオ初めて見たな。」
慌てるでもなく私たちと速度を合わせてついてきていたフィーリアがアオの様子を楽しんでいる。
「ハバネ、あれって魔物じゃないよ!
ハンターかなぁ・・・・
あっ、じゃない?! あれ子供だ!」
五感に優れた獣人のルミーナがいち早くその姿を捉えたかと思うと、シフティのスキルで跳んでいった。
慌てて追いかける私たちが倒れている子供(?)の元にたどり着いた時、ルミーナは下手に触らないように注意しながら外傷がないか這いつくばって確認していた。
倒れている子供は、フードを深く被っていたので顔を確認することは出来なかったが、背格好から10歳前後のように思える。
ドワーフなど小人族の可能性もなくはないが、クロスロードでは一度も見たことはないので、その可能性はだぶん無いだろう。
「体中に傷はあるけど、どれも致命的なものではないよ。
ただ、かなり弱っているようだから、毒か病気かもしれない。」
孤児院で年下の子供の面倒を見てきたルミーナの見立てだし、多分そんな感じで間違いないだろう。
「ヒーリィ、来て!」
呼び出したヒーリィを通して子供の状態を診てみたが、毒や病気ではなかった。
極度の過労と空腹による栄養不足のせいで、ひどい衰弱になっているようだ。
「ヒーリィ、清浄と回復をお願い。」
ヒーリィから淡い光が放たれると、子供の全身も淡い光りに包まれる。
しばらくすると、呼吸が落ち着いたものとなり顔色も良くなっていくのが分かった。
「もう、大丈夫。魔力も、安定してきた。」
「あーん、良かったよぉ-! もうどうなるかと思ったよぉ。
それにしても、なんでこんなところにこんな小さな子が、それもたった一人で居たんだろ?
遠くから来たにしても、何も荷物を持っていないみたいだし。」
「そういうのは、この子が気がついたときに聞いてみれば良いんじゃない。」
私が、ルミーナにそう答えていると。
「う、ううーーん・・・・」
「ん、気がついた。」
「へー、この声の感じは女の子だな。
アタイは声を聞けば、男か女かわかるんだぞ、凄いだろ。」
フィーリアの特技はとりあえず置いといて、今はこの子が最優先だ。
意識が戻ってきたのか、上半身を起こそうと身悶えたはずみで頭を負っていたフードがずれ落ちた。
「ええっ、この子の頭に?!?」
そう、その子の頭には見慣れないモノがついていたのだ。
それを見て驚いたルミーナが叫んだ。
「この子、頭に、つ、角が生えてるよぉ?!」
読んでいただきありがとうございます。
先の展開もまだまともに定まっていないまま、新展開に突入・・・していいのかなぁ。
とにかく、いつもの成り行き任せで進めさせていただきます。
これからも応援してもらえるとありがたいです。




