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#36 お説教注意報?!


 私の立てた作戦、ギルマスたちの協力でヒュドラの5つの口を同時に開けさせて、その中にドローンを飛び込ませることに見事成功。


 そして私の魔力をたっぷり溜め込んだ5機のドローンたちに私は「エレメンタル(属性) エクスプロージョン(爆裂)」を命じた。


 といっても、実はこれって魔法の行使と言えるものじゃなかったりするんだよね。


 集めた魔力を無制御で一気に開放することで、爆発らしき現象を起こす・・・モノなんだけど


 早い話が魔法の失敗、制御を失った魔力が大暴発したシロモノ。


 ただ大きな魔力を扱える術者には意外と扱いやすい攻撃方法なので、結構ポピュラーな攻撃魔法だったりするんだよね、これが。


 で、ドローンを通して大きな魔力が扱える私も当然使えるんだけど、威力が大きいのに制御が甘いってリーリィには禁止令を出されてマス、アハハハ。


 でも今回は遠慮無用のお墨付きをもらってるんで思いっきり行かせてもらうよ。


 ヒュドラ体内のドローンから魔力が一気に開放された激しい爆発により、5つの首が盛大に吹っ飛ぶ。


 火属性ドローン”ヒート”が飛び込んだ、氷結魔法でハンターたちを翻弄していた首は膨れ上がる爆熱により爆裂し周囲に火の粉を巻き散らしていた。

 頭が吹き飛んだ傷跡はいまだ炎を上げており、焼け焦げ半ば炭化している。


 水属性ドローン”ティア”が滑り込んだ、火炎攻撃を撒き散らしていた首は一瞬にして凍結し次の瞬間、内部で膨れ上がる圧力により粉々に砕け爆散した。

 傷口は凍てつき氷塊が纏わり付いていて、それが砂のように微細に砕けていく破片がキラキラと輝き舞い散っている。


 土属性ドローン”クレイ”が潜り込んだ、禍々しい穢れを含む瘴気をまとった首は内部で爆発的に膨らむ圧力に耐えきれず破裂し、内部で急成長していた様々な植物が溢れ出した。

 傷口には草木が生い茂り、伸びた枝や蔦には色とりどりに美しい花が咲き乱れて花吹雪が舞い踊っている。まるで斬新な現代生花(いけばな)みたい。


 雷属性ドローン”スタン”が駆け込んだ、砂嵐とともに激しく岩礫を撒き散らす首は凄まじい放電の火花にまとわりつかれながら巨大な見えない力(電磁波)にその身を拗じられ、ついには勢い良く捻じ切られて粉々に引きちぎられていく。

 その破片も飛び交う放電の火花に焼かれ燃え尽きていく。


 風属性ドローン”エアー”を吸い込んだ、猛毒を滴らせてあらゆるものを蝕み侵していく首は膨れ上がる無数の風の刃に内側より斬り刻まれながら吹き飛び更に細かく刻まれていく。

 その傷口には激しく絡み合い荒れ狂ういくつもの竜巻が吹き出している。


 すべての首が魔力の激しい暴発で吹き飛ばされ、その副次効果(?)により更なるダメージを負っていた。


 まあ無制御の暴走魔力がおこす効果は、何が出るかやってみないとわからないと言ったモノとしか言えず、あくまでも予定外の副次効果なのである・・・・


「ギルマスッ!! 5つの首はちゃんと吹き飛ばしたからね!

 残ったトドメは任せたよ!」


 しかめっ面で様子を伺っていたギルマスの方へ振り向いた私は、そう大きな声をかける。


「よくやった! ハバネ。

 あとは俺たちに任せろ!

 お前らぁ! ここまでハバネにお膳立てしてもらったんだ。

 最後ぐらいビシっと決めるぞ、いいな!!」


「「「「「おおーーーっ!!」」」」」


 ドローンの盛大なやらかしを見て顔を引きつらせていたハンターたちだったが、ギルマスの掛け声で一気にテンションを引き上げた。


 頭をすべて失っても時間をかければまた復活してしまうヒュドラ。


 息の根を止めるには、まさに心臓をつぶす以外にはない。


 防衛本能なのか、思考力を完全に失っているにもかかわらず、とぐろを巻いてシッポを無茶苦茶に振り回して身を守るヒュドラ。


 だがその程度でクロスロードの上級ハンターたちは止められない。


 見事な連携と攻撃技で、確実のヒュドラの生命力を削り取っていく。


 守備力や豪腕、援護魔法で動きを押さえつける援護系ハンター。


 強化や弱体の魔法でバフをかけていく魔法系ハンター。


 強力なスキルや魔法で確実に獲物を倒す主力ハンター。


 まあ、半死状態のヒュドラが助かる余地なんて残ってるわけないよね。


 しばらくして動かなくなった巨体から取り出したなかなかの大きさの魔石を高く掲げるハンターを取り巻き、勝鬨をあげるハンターたち。


 これで、クロスロードのハンターギルドを悩ませていた大問題もなんとか片付いたみたいだね。


 そんな様子を見ていた私たちは、笑顔になって片手を高々と上げると、勢いよくハイタッチをするのだった。


---------------------------------------------------


 強敵を倒した高揚感に包まれながら、ハンターたちは帰還の準備を進めている。


 そんな中、しかめっ面で腕を組みながらヒュドラの死骸を見つめているギルマスがいた。


 ゲートで一足先に街へ帰ろうとしていた私は、挨拶がてら声をかけてみた。


「難しい顔して、どうかしたの?」


「ハバネか。どしたかって、こいつだよ、こいつ。

 ヒュドラなんて、貴重なお宝の塊なんだよ。

 とりあえず持てるだけの素材は回収していくが、それでも全体からすればホンの一部だ。

 大部分を諦めなきゃならんのが、どうに悔しくてなぁ。」


「一度街に帰ってから、また取りに来たら駄目なの?」


「戻ってくるまでに10日以上はかかるんだぞ。

 ここいらの魔物に食い散らかされて、それまで残ってるがわけねぇよ。

 はあああーーー・・・・、勿体ねぇ。」


「んーーー、ならさぁ。

 私が収納して持って帰ろうか?」


 何気ない調子でそう答えた私に、驚愕の反応を見せるギルマス。


「なぁーーっ?!

 お前、そんな事ができるのかー??

 そういや、初めてギルドに来たときにマッドベアを収納魔法で取り出してみせたんだったな。」


「うん、あのときはあれが限界だったけど、今ならコイツをぎりぎり収納できるかも。

 ちょっとやってみるね。」


 そういってキャリィを呼び出して、ヒュドラの上に浮かべてフュドラを収納するようにイメージする。


 次に瞬間、目の前に横たわっていたフュドラの死骸が消えてなくなった。


「結構ヤバかったけど、なんとか入ったみたい。

 じゃあ、私たちは先に街に帰るから、戻ったらギルドで引き取ってよね。」


「はぁ? なんだよ、お前の収納魔法は?! なんて収容量だぁ!!

 それにだっ、先に帰るってどういうこったよ!!」


 なんだか、こめかみに井形が見えそうなお怒りの表情でギルマスが迫ってくる。


「収納も転移も時空系魔法ってのが使えるからだよ、あははは・・・・、詳しいことはまた今度ね。

 んじゃ、先に帰るから、ギルマスも気をつけてね!!」


 ヤバそうな気配をビンビン感じた私は、同じような気配を察したルミーナたちとダッシュで逃げ出した。


「・・・お説教は今度聞くから、じゃあねぇ。」


「ちょっ、待てぇ、お前ら・・・・・・」


 なにか大声で喚いているギルマスを無視して私たちはその場から逃げ出し、十分離れて人目がなくなった場所でゲートを開き、そそくさとクロスロードへ帰還した。 

 

読んでいただきありがとうございます。


ヒュドラのお話ももうちょっとで終わりです。


これからも応援してもらえるとありがたいです。

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