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(SS) リーリィの魔法講座


 それは、アオに懐かれてその能力に驚愕していた頃の話。


 女神様から魔法の素質もあると言われていた事を思い出して、魔法についてリーリィに色々教わろうと考えていたのだ。


 そしてその日、私はリーリィから魔法についての講義を受けていた。


 ちなみにルミーナはフィーリアとアオを連れて屋台巡りに行っている。


「ようは、魔力、イメージ、呪文の三つの要素で魔法が発動するんだよね。」


「そう、”魔力”を練り上げて、起こしたい現象を”イメージ”しながら、”呪文”を唱えてより明確にする。

 そうして、魔力が糧となって、魔法が具現化する。」


 リーリィから教わったこの世界の魔法の基本概念。


 大筋、この世界の魔法はこの概念から外れることはない、・・・のだが。


 稀に無詠唱や、同じ魔法を異なる呪文で使う者がいるという。


 実を言うと、この点に私は少し引っかかりを感じているんだけどね。


「そして、魔法を使うとき、込める魔力量、で効果が変わる。

 たいていは、規模が大きくなるとか、有効範囲が広がる、といった感じ。」


「あれっ?、そういう時って力が強くなったり、勢いが増したりするんじゃないの?」


 私の知る物理法則的には「エレルギーが増えれば、出力が増す」のが普通だと思える。


 でもそうなっていないってことは、イメージが出力を制限・・・、いや出力までイメージに含まれてしまっているのかも。


 そして私はそこであることに気がついた。


「そっか! この世界の人は現象を見た目でイメージしてるんだ!

 現象の原理、つまり物理科学な理解ができていないから、威力のコントロールが出来ないんだ?!」


 無詠唱や異なる呪文ってのも案外、モノの捉え方が普通の人と違ったり、異常に想像力が豊かだったりでたまたま上手く出来てただけだったのかも。


 そういえば女神様も、文化や芸術、技術といった方面の発展がそれほど進んでいないとボヤいていたっけ。


「ハバネ? かがく・・、ていうのは、ナニ?」


 リーリィが私のつぶやきに喰い付いてきた。

 でも、まだ確証が持てないし、軽く実験してみますかね。


 今の私は生活魔法が使える、というかそれしか出来ない。


 生活魔法というのは、火をつける、風を操りホコリを飛ばす、飲み水を出す・・・

 そういった生活の中で普通に見かける現象を起こす誰でも使える魔法のことだ。


 前世を知る私には「水を出すと言う超常現象が普通」という事に疑問が湧くが、この世界では日常的なものであり、親のすることを見ていた子供なら誰でも疑問を持つこと無く出来てしまうのだ。


 そんなわけで、私も見せられた現象と呪文をそのまま受け入れることで生活魔法をマスターしていた。


 だが、ここで湧いた疑問を確かめるため、実験を試みることにした。


 生活魔法を行使する際に、見せられた現象ではなく、よく知っている科学的な原理をイメージしてみようと思う。


 使うのは火を灯す生活魔法、イメージするのは炭素と酸素がおこす化学反応、そしてそこに使われる物質量を明確にイメージする。


 いつものように指先に小さな炎が灯る、が、まだ魔法の行使は終わらない。


 灯された炎へ送り込まれる炭素の量を増やすようイメージすると、炎が唐突にソフトボール大に巨大化する。


 それを目にしたリーリィが眼を見張る。


 炎を元に戻すと、今度は酸素の量を増やす・・・、轟々と音を響かせ、激しい勢いの炎がその明るさを増した。


「ビンゴッ!!」


 現象の本質というか原理をイメージすれば、魔法はそれを忠実に再現できるということが証明された。


「ハバネ、早く説明! 判ったこと、教えろ!! 洗いざらい、吐け!!」


 私の両肩をガッシリと掴んで激しく揺さぶりながら、とても良い(怖い)笑顔で迫ってくるリーリィ。


「(ああーー、これはある程度、リーリィが納得する知識を与えないと終わらせてもらえないんだろうなぁ。)」


 頭を激しく揺すられながら、地雷を踏んだことを自覚していた。


---------------------------------


 ここからはじまる「ハバネのお子様向け理科教室」。


 流石に基礎知識が皆無な異世界一般人のリーリィにいきなり物理/科学は敷居が高過ぎる。


 なので、ここでリーリィに教えるのは小学校理科レベルの知識だ。


 万物を構成する原子/分子の大まかな概念、固体/液体/気体の状態変化、燃焼など日常的な科学反応などなど。


 小学生にも理解できるレベルに噛み砕いて教えてみたのだが・・・


 リーリィはそれほど苦労すること無く、それらの知識を吸収していった。


 もともと高い知能と柔軟な思考をしていると思ってたけど、それ以上に魔法への執着と貪欲な知識欲が半端なかった。


 でも最初は、子供向けのわかりやすさを意識して教えていたけど、全く未知の知識ゆえか概念の理解に今ひとつ結びついていないようだった。


 それが、カップの中のロウソクの炎が溜まっていく二酸化炭素によって消えるという定番実験を見せたところ、ナニかを掴んだようでその後の理解度には正直びっくりした。


 ある程度の知識が納得できるレベルになったと思い、イメージの仕方を少しアドバイスしたうえで火の魔法を試してみた。


 私のニワカ魔法と違って、その効果は絶大だった!


 プラズマの如き火球に、バーナーのような火炎、それを自由自在に操りながらリーリィが浮かべる黒い笑顔・・・、なんかコワイ。


 「ふふふ・・・・。」


 もしかして私、リーリィの”押しちゃいけないスイッチ”を押しちゃったかもしれない。


読んでいただきありがとうございます。


ハバネは、十分に魔法無双の可能性を持っています。

ですが、ハバネは「ドローン馬鹿」です。

実際、ドローンにやらせた方が自分で魔法を使うより楽で便利なんです。

なので「あれば便利・・・程度の魔法」以外はほとんど興味を持ってなかったりします(苦笑)


これからも応援してもらえるとありがたいです。

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